NECパーソナルコンピュータ(NEC PC)の群馬事業所(群馬県太田市)では、PCの修理やPCのリユースを行っている。
NEC PCでは、このPCのリユースを「リフレッシュPC」と名付ける。ユーザーからNEC製のPCを買い取り、清掃やOSの再インストールなどを行ったあと、マニュアルなどの不足品があれば補充し、6カ月から1年の保証を付けて量販店などで再販するという流れだ。製造・販売メーカーならではの“安心”を特長とする。一般の中古販売と異なり、購入時の箱は不要で、お店に行かずとも宅配業者が引き取りに来る手軽さも特長のひとつだ。
どのような工程を経て、リフレッシュPCが生まれるのかはフォトレポートでお伝えしている。今回は、製造メーカーがなぜ再販事業の取り組むのか、また、PCを「高く売るためのポイント」などをお伝えする。
リフレッシュPCを提供する目的は、循環型サイクルによるNEC PC・ブランドイメージの向上だ。購入前から購入済み処理までをサポートするほか、新しいPCを生産する場合と比べて環境負荷を低減でき、「NECのPCなら買って安心、買い換える時も安心」というイメージを定着させたい考えだ。
実際、買い取りに出す層は35歳以上のNECファンが多いという。集まるPCは2年から2年半程度の比較的新しいものが中心で、「早く売るから(NECが)嫌いなのかと思ったが、そうではなかった。アンケートをとっているが、比較的好印象」(NEC PC)と話す。
当たり前だが、PCは購入から時間が経つとともに買い取り価格は下がっていく。同社では、買い取り価格が高めなうちに出し、買い換えるファン層が多いのではないかと見ている。
このリフレッシュPCは、新製品の購入を前提とせず、NEC製のパソコンであれば買い取る。ただし、修理と同様にパーツの在庫保管には期限があるため、5年以上が経過する古いPCは買い取れないこともあるとしている。
なお、PCを売る場合にもっとも危惧されるのは、個人情報の流出だ。同社では、宅配業者が貴重品扱いで引き取るほか、独自開発したデータ消去ソフトでデータを3回上書きすることで、安心できるとしている。
一方で購入するのはどのような層か。ヤマダ電機やソフマップ、上新電機などの量販店およそ12社で販売しており、若い家族連れが多く、両親が娘や息子のために買いに来たというケースが特に多いのだという。新製品よりも安価で、製造メーカーによる再生PCという安心感と、さらに保証が付く点も評価されているという。
NEC PCでは定期的にNECダイレクトポイントのプレゼントや引き取り送料無料といったキャンペーンを行っているという。それらの時期を狙うのも賢く売る秘訣の一つだ。このほか、NECの買い取り担当者が教える、高く売るためのポイントは以下の4つだ。
価格は日々変動するため、買い取りの上限価格を確認する必要がある。価格は、市場の需要によって決まるという。なお、上限価格は「Officeあり」、デスクトップPCなら「ディスプレイあり」の価格となっている。なお、価格はウェブサイトに記載され、最新の買い取り上限価格が提示されている。
見学会にて査定体験として使用された「NEC LaVie L LL570/E(2011年5月発表)」は、2月14日の時点で買い取り上限金額は4万円と設定されていた。
やはりというべきか、キズは減額の大きな要因となる。例にとると、査定体験で使われたNEC LaVie L LL570/Eは、素人目にはちょっと角度を変えて見ないとわからないレベルのキズがいくつかあるというものだった。プロの査定結果でも、外観ランクは「S」。しかし、その程度のキズでも7%の減額となっていた。もちろん、さらに深い傷があったり、黄ばみやタバコのヤニが付いていたらさらなる減額になる。また、ライセンスシールの破損やキーボードの欠損なども減額になるとしている。
なお、NEC PCでは、必要に応じて天板などの部品を交換してからリフレッシュPCとして出荷しているとのこと。見た目の点でも安心してよさそうだ。
購入時の付属品は、大事に保管しておく必要がある。マウスやワイヤレスキーボード、Officeパッケージなど、付属品はすべて査定の対象となるという。リフレッシュPCセンターでは、申し込み完了後、査定対象添付品リストがメールで送られてくる。中でも、ワイヤレスキーボードやマウス、Officeソフトのパッケージは高額添付品とされており、必ず保管しておきたい。
査定体験で使われたPCを例にとると、USBマウスがなかった。そのため、1000円が減額されている。ちなみに、Officeソフトのパッケージがないと1万円、さらにWindows 7のライセンスシールがないと2万円もの減額になってしまうのである。
査定は、購入時の状態をもとに行われる。「購入時の状態なんて分からないのでは?」などと侮ることなかれ。やはり製造メーカーだけあって、個体番号をシステムに入力すると出荷時の状態が一目で分かるようになっているのだ。個人でメモリやハードディスクなどを増設したり交換したりして、そのままにしてしまうと「改造」にあたり減額になる。元に戻すか、取り外した部品を添付する必要があるとのことだ。
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