新たな共産党指導部を任命する5年に一度の大会の開幕と同時にGoogleや「Gmail」などのGoogleサービスがアクセス不能になったが、一部報道によると、中国時間11月10日午前、アクセス制限は解除されたもようだ。
これらのサービスは、約12時間にわたってアクセス不能状態が続いた後、中国時間午前6時以降に復旧したという。IDC News ServiceがGoogleの「Transparency Report」と、中国におけるインターネット検閲を監視する団体GreatFire.orgによる事実確認を引用して報じた。
カリフォルニア州の現地時間9日早く、GoogleのTransparency Reportが提供するデータは、Googleのさまざまなサイトへのトラフィックが急激に低下し、通常の半分ほどの水準になっていることを示した。Googleは9日午前遅くに米CNETに送信した声明の中で、「確認したところ、弊社の側には何も異常がないことが分かった」と述べた。
その前日の11月8日、天安門広場の近くにある北京人民大会堂で中国共産党第18回全国代表大会が開幕した。そして、The New York TimesがGoogleへのアクセス不能に関する記事の中で報じたように、中国共産党政府は同大会が近づくにつれて、「抗議のメッセージを伝える可能性があるという理由で、書店の書籍の入れ替えから気球の禁止まで、さまざまな」取り締まりを実施することで知られている。
The International Business Times(IBT)は10日午前、中国共産党が中国共産党大会のために警備態勢を「戦争時の水準」にまで強化していると伝え、ここ数日の間に複数のチベット人が自らに火を放って中国政府に抗議したと報じた。IBTの報道によると、中国政府関係者は、そうした焼身自殺の画像を配布した者は厳罰に処すると脅しているという。
Google自身は5年以上前から中国における検閲と戦ってきた。4月には、「Google Drive」へのアクセスが遮断された。Googleが2010年に香港のドメインに移行した後も、デリケートな話題にはアクセスできない状態が続いている。
そうした歴史と足並みを揃えるように、中国当局はほかにも、オンラインの世界を管理するさまざまな取り組みを行ってきた。北京市役所は2011年12月、Twitterに似た現地サイトのユーザーに対し、政府当局が素性を確認できるように本名での登録を義務づける規則を発表した。中国の指導者を批判する匿名の投稿を抑圧し、組織的な抗議活動を行うためのツールを反体制派の人々から奪うことがこの動きの目的なのは明白だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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