ベルリン発--ソニーは、自社の音楽配信サービス「Music Unlimited」に月額4.99ドルというより安価なプランを追加することで、同社の音楽ストリーミング配信サービスのユーザーを増やしたいと考えている。
ソニーは昨年の「IFA 2011」カンファレンスにおいて、月額9.99ドルで楽曲が聴き放題になるというSony Entertainment Network(SEN)のプランを発表し、1600万曲にもおよぶライブラリを顧客のPCや「PlayStation 3」(PS3)ゲームコンソール、「Android」端末からアクセスできるようにした。そして同社は今年の「IFA 2012」カンファレンスにおいて、モバイル端末からは利用できないものの、同じライブラリにより安価にアクセスできるというプランを発表した。
SENの最高執行責任者(COO)であるShawn Layden氏は現地時間8月30日に行われたインタビューのなかで「(このプランにより)新たな顧客を獲得できるようになることは間違いない」と述べている。またソニーは、このサービスを気に入った顧客が、プレミアムプランにアップグレードしてくれるということも期待している。
さらに同社は、クレジットカード番号を登録することなく無料で14日間試用できるサービスとともに、テレビやAndroidタブレット、携帯電話、PS3、「Google TV」、Blu-ray Discプレイヤーといった互換性のあるソニー製品を所有している人々が無料で60日間試用できるサービスも発表している。
さまざまなレコードレーベルの楽曲も含めて1600万曲を提供するということは、当然ながらソニーにとって支出のともなう話である。Layden氏は「われわれは、レコードレーベルとの間で取り決めを交わしている」と述べたうえで「われわれは、再生回数と市場シェアに基づいた契約を締結している」と述べている。
ソニーはビデオについても、タイトル単位でレンタルや購入を行える「Video Unlimited」というサービスも提供している。Music UnlimitedとVideo Unlimitedという2つのサービスは、AppleやHulu、Amazon、Pandora、Spotify、Googleといった企業の提供するさまざまなサービスと競合することになる。
日本におけるMusic Unlimitedは、7月3日にプレミアムに相当するプランの提供が開始されたばかりであるため、今回の安価なプランはまだ利用可能になっていない。なぜそんなに遅れているのだろうか?その理由は、日本では楽曲のストリーミングが一般的になっていないためである。Layden氏によると、日本ではまだCDを購入する人が多いため、実際のところソニーのサービスが現時点で最大手となっているという。
ソニーは、携帯電話やPC以外の製品も提供しているため、多少有利であると考えている。Layden氏は、リビングルームにおいて(モバイル端末を用いて)音楽ストリーミング配信サービスからの楽曲を聴く人はそう多くないものの、リビングルームにはPS3やホームシアターシステムが置かれていることも多いと述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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