「iCloud」と動画は、同サービスが2011年にローンチされて以来、交わることのなかった2つの単語だ。しかし、2012年6月にiCloudに登場予定とうわさされる動画同期機能によって、そうした状況が一変する可能性がある。
Wall Street Journal(WSJ)が米国時間5月14日に掲載した記事(有料会員登録が必要)によると、Appleは、ユーザーが「iOS」デバイスで撮影した動画をiCloud経由で同期できる機能を開発中だという。それが既存の「Photo Stream」機能への単なる追加機能なのか、それとも全く別個の機能なのかは不明だ。
現在のところ、AppleのPhoto Stream機能が同期できるのは写真だけだ。「iPhone」で撮影した動画を「iPad」で閲覧、あるいはその逆のことをしたい場合は、「iTunes」を使って、コンピュータ経由でその動画を相手デバイスと同期するか、「YouTube」や「Vimeo」などのウェブ共有サービスにアップロードする必要がある。WSJの記事は、動画もiCloud経由で転送できるようになることを示唆している。
ただし、これが本当だとすると、ストレージに関する疑問が浮かんでくる。動画は容量が大きい。Appleの最新の「iOS」デバイス、すなわち第3世代iPadや「iPhone 4S」で撮影した動画の場合は、特にそうだ。いずれのデバイスも1080pでの撮影が可能で、保存されるファイルの容量はかつてないほど巨大だ。もしAppleが動画を写真と同じように扱うのなら、それは、ユーザーがPhoto Streamの一部として動画を容量制限なしに保存できるようになることを意味するのだろうか。
iCloudに登録すると、自動的に5Gバイトの無料ストレージが使えるが、フPhoto Streamの写真は、この無料のストレージを使わない。Photo Streamは、むしろファイルの一時的な置き場所と見なされ、Appleは写真をMバイトやGバイトではなく枚数によって数える。Photo Streamに保存された写真の枚数が1000枚に達した後は、新しい写真が保存されるたびに古い写真が削除されていく。
しかし、WSJによると、ユーザーが同サービスにメディアを保存する方法は変わる可能性があるという。Appleの幹部陣は、「ダウンロード可能な同社の『iPhoto』ソフトウェアにiCloudをより近づけるために、ユーザーがiCloud経由で保存できる写真やアルバムの数を増やす」ことを検討しているが、そのコスト(おそらく同社のサーバインフラストラクチャのコスト)が懸案事項になっている、とWSJは同記事の中で述べている。換言すると、そのような動きは、Appleが同社のサーバインフラストラクチャと保守に費やす必要のあるコストを膨らませる可能性が高い。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス