ICT総研は、スマートフォン、タブレットのアプリ需要動向に関する調査結果を発表した。調査結果は、アプリ関連企業への取材および5000人のネットユーザーへのウェブアンケート、各種公開資料などをまとめて分析したもの。
まず、2011年9月~11月の有料アプリランキングトップ100(3カ月の平均)の開発企業を国籍別に分類し、日本、米国、中国の3カ国でどのようなアプリが好まれているのかを調査した。それによると日本市場ではiOSアプリ、Androidアプリともに国内企業のアプリが52%と過半数を占め、米国でも同様の傾向が見られた。また、中国は国内事業者が限られているため日本や米国ほど顕著ではないが、それでも自国のアプリが24.0%を占め、米国製21.7%を上回った。
次に、有料アプリランキングをジャンル別に分類したところ、iOSアプリは日本、米国、中国のいずれも「ゲーム」のジャンルが多数を占めた。ただし、米国、中国市場ではゲームの割合が過半数を超えているのに対し、日本市場は36%と低く、Androidアプリでは26%にとどまった。
有料iOSアプリの平均単価を見ると、米国が132円なのに対して日本は212円。トップ100のアプリを個別に見てみると、米国ではほとんどが1ドル程度で販売されているが、日本では数百円、なかには1000円以上のものもランクされている。なお、Androidアプリの日本市場の平均価格はiOSアプリを54%上回る327円だった。
日本における各OSアプリの満足度を調べたところ、iOSアプリは70.2ポイント、Androidアプリは60.2ポイントとなり、iOSアプリユーザーの満足度がAndroidユーザーよりも10ポイント上回った。ICT総研ではアプリ以外にも、SNSやパーソナルクラウドサービス(Evernoteなど)の満足度調査を実施しており、それらの満足度ポイントの大半は50~60%だったことから、アプリはウェブサービスよりも満足度が高い傾向にあるとしている。
ICT総研はアンケートや端末普及予測から、2012年には日本のスマートフォン向けアプリ市場は前年比約1.6倍の128億1000万円、タブレット向けアプリ市場は前年比約2倍の41億2000万円に達すると予想している。
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