Googleは米国時間12月13日、「Google Chrome」のアップデートを公開した。複数のユーザーが同一のコンピュータ上でChromeを使用し、個人的なデータをほかのユーザーと別に保存できる機能が追加されている。
「Windows」と「Mac」、Linux、および「Chrome Frame」を対象とするGoogle Chrome 16.0.912.63安定版には、複数のセキュリティフィックスも含まれる。
マルチユーザーサポートはChromeの「Sync」機能に似ているが、絶対に利用すべき機能というよりはむしろ補助的な機能である。Syncを利用すると、常に同一のブックマークや履歴、テーマ、設定にアクセスすることができる。マルチユーザーサポートでは、OSからログアウトすることなくコンピュータを共有し、別々のアカウントを維持することが可能だ。コンピュータが1台しかない家庭や小規模企業にとって、この機能は便利かもしれない。
新しいユーザーを作成するには、まずスパナのアイコンをクリックして「Sign into Chrome(Chromeにログイン)」オプションを選択し、Chromeにログインする必要がある。その後、新しいユーザーを追加するために再びスパナのアイコンをクリックしてOptions(オプション)を選択(Macユーザーの場合はPreferencesを選ぶ)する。そしてPersonal Stuff(個人設定)を選ぶと、ようやく「Add new user(新しいユーザーを追加)」オプションが表示される。これをクリックすると新しいChromeが開かれるので、新しいユーザーはこのウィンドウ内で「Sign into Chrome」の手続きを再び行う必要がある。新しいユーザーは新しいウィンドウ内でPersonal Stuffメニューにアクセスし、ユーザー名とアイコンを変更することもできる。
ユーザーを切り替えると、Chromeは別のウィンドウを開く。
Googleは同機能を発表したブログ投稿で、マルチユーザー機能はユーザーのプライベートなデータをほかのユーザーから守ることを意図したものではない、と警告している。つまり、同期されたデータはサーバ上では安全かもしれないが、ユーザーが複数のプロフィールでChromeにログインしている状態では、誰でもプロフィールを切り替えてユーザーの個人的な情報にアクセスできる。この仕様は、2つめのプロフィールを開くたびにユーザーにパスワードの再入力を強制する方法と比べると、セキュリティ面ではるかに劣る。
Chrome 16のほかの改善点は主にセキュリティフィックスで、これには深刻度「High」と評価された6件のセキュリティバグのフィックスが含まれる。今回のリリースに深刻度「Critical」と評価されたセキュリティフィックスはなかった。Googleが公表しているChromeの変更ログを確認してほしい。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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