シネックスは、米国Scosche Industries(スコーシュインダストリーズ)の放射線カウンタ2機種の取り扱いを開始する。検出器にシリコン半導体を使用し、従来製品に比べ買い求めやすい価格設定にしたという。新たに販売されるのは、iPhoneやiPod touchに接続して放射線量を測定する「RDTX」と、電源コンセントに差し込んで使用する据え置き型の「HRDTX」の2機種になる。
シネックスでは、8月にRDTXの上位モデルとなる「RDTX-PRO」(店頭想定価格:3万4800円)の取り扱い開始を発表。9月上旬から販売を開始している。シネックス取締役CE事業部長の中村明氏は「発表後大変大きな反響をいただいている。生産量があまり多くないため、なかなか皆様のご要望に応えられず入手は困難な状況にある」と現状を話した。
Scosche製の放射能カウンタは、検出器にシリコン半導体を採用していることが特長。これにより安定して精度の高いγ(ガンマ)放射線を探知できるとしている。また、一般的な放射線検出器に使用されているガイガーミュラーチューブに比べ、キャリブレーション(校正)の必要がないことも利点だという。
RDTXは、iPod touch、iPhoneに専用アプリ「radTESTアプリ」をダウンロードし、ドックコネクタに本機を接続することで使用できる。ダウンロードは無料。日本語を含む10カ国語に対応する。表示は上級者向けのデジタルディスプレイと、一般向けのメーターディスプレイの2つを用意。メーターディスプレイでは、放射線量がグリーン(安全)、イエロー(要注意)、レッド(危険)とひと目で確認できる。
facebookやTwitterといったソーシャルネットワークサービスとも連携し、測定した数値を友人や知人とシェアすることが可能。さらにGoogleマップ上に公開すると、世界中のユーザーと情報を共有できる。
RDTX-PROに比べ、検知可能なガンマ線レベルは120keV(PROは60keV)で、誤差は±10%(同±5%)と若干精度は劣るが、予価で2万1000円と安価で提供できるとしている。また、単体での放射能計測機としての使用はできない。
アプリはiOS版のみとなるが、Android OSの次期バージョン「アイスクリームサンドイッチ」からは対応アプリをリリースする予定とのこと。また次回のアップデートではiPad用に最適化されたバージョンも用意するとしている。
HRDTXは、家庭のコンセントに接続して使用する据え置き型の放射線測定機だ。本体にはLEDライトを備え、グリーン、イエロー、レッドで放射線量の確認が可能。危険レベルに計測値が達するとレッドのライトが店頭するほか、アラーム音でも知らせる。
Wi-Fi接続により、計測した放射線量は電子メールを使って登録したPCやスマートフォンに転送ができ、離れた場所から自宅内の放射線量を確認できる。本体には単3形電池2本を内蔵でき、停電時などはバッテリ駆動での使用が可能になっている。予価は3万9800円になる。
両機種ともに発売は12月を予定。現在RDTX-PROは供給が間に合わない状態だが、RDTX、HRDTXは「12月にはまとまった数量が市場に投入できると思っている」(中村氏)とした。
なお、スコーシュとシネックスではRDTX-PROを1台販売するごとに10ドルを、東日本大震災後の被災地をサポートするNPO団体と福島県に寄付しているが、今回の2機種についても同様の支援を考えていることも明らかにした。
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