サンフランシスコ発--Intelの最高経営責任者(CEO)Paul Otellini氏は、「ウルトラブック」が「完全な」コンピューティング体験というIntelのビジョンを実現するだろうと述べ、ウルトラブック向けの電力効率に優れた次世代プロセッサについて語った。
Otellini氏は米国時間9月13日、当地で開催中の「2011 Intel Developer Forum(IDF)」で講演し、次のように述べた。「ウルトラブックは、より反応性に優れ、魅力のある、完全なコンピューティング体験を提供するという当社のビジョンだ。ウルトラブックには非常に多くの意味合いが込められている」
ウルトラブックとは、IntelやPCベンダーが「MacBook Air」と互角に競争することを期待している、超軽量で薄型の「Windows」搭載ノートPCのことだ。また、ウルトラブックは、一部の面においてタブレットを真似た作りになっており、そのコンパクトなサイズにもかかわらず、瞬時に起動し、バッテリ持続時間も比較的長くなるよう設計されている。
「ウルトラブックは手頃なものになるだろう」とOtellini氏は述べ、それがウルトラブックにとって不可欠だと語った。「手頃」という表現が何を意味するのかはっきりしないが、通常は価格が1000ドル未満であることを意味する。アナリストの多くは、アップルのMacBook Airに対抗するには、最大でもこの価格にまで値下げする必要があると考えている。
Otellini氏はまた、Microsoftの次期OSである「Windows 8」が、個人のコンピューティング体験の変革を助ける触媒のようなソフトウェアになるだろうと述べた。Windows 8は、タブレットPCとノートPCの両方で動作する見込みだ。
Otellini氏は、2種類のチップがウルトラブックの進化を加速するだろうと述べた。第1は、2012年初めに出荷予定の「Ivy Bridge」(開発コード名)で、現在広く利用されている「Sandy Bridge」プロセッサの後継となる。Ivy Bridgeは、Intelの3Dトランジスタ技術を実装し、電力効率をSandy Bridgeと比べて約50%向上できる予定だ。
第2は、Intel初の完全なシステムオンチップになるとみられる「Haswell」(開発コード名)で、競合するARMチップ供給業者がスマートフォンで使用しているものと近いが、Haswellは主流のコンピュータ向けとなっている。
Otellini氏は、Haswellが「プラットフォームの消費電力」を20分の1に削減するので、「使用時間は丸一日、スタンバイ状態では10日間になる」と述べた。プラットフォームの消費電力が少なくなれば、原則的にスタンバイ状態の時間は大幅に伸びることになる。
講演にはGoogleのAndy Rubin氏も登場し、Intelとの提携の「継続」を発表した。そのために、Intelは、「Android」OSで動作するスマートフォンに「Atom」プロセッサの「Medfield」(開発コード名)を搭載した製品を披露した。
Otellini氏によれば、Intelが披露したMedfield搭載スマートフォンは、2012年上半期に発売される見込みだという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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