UPDATE Microsoftは米国時間9月13日、カリフォルニア州アナハイムで開催された同社のBUILDイベントで、同社の次世代OS「Windows 8」の詳細をついに明らかにした。
Microsoftのプレジデントを務めるSteven Sinofsky氏によると、Windows 8は「Windowsがなり得る姿を大胆に再度描き直したもの」であるという。
現行および次世代のPCハードウェア上で動作するように設計されたWindows 8には、タッチ用途に最適化された新しいユーザーインターフェースとともに、「Windows Phone 7」で導入された「Metro」設計言語を使用する、いわゆる没入型フルスクリーンアプリケーション向けのプログラミングモデルが新たに導入されている。
Windows Experience担当コーポレートバイスプレジデントを務めるJulie Larson-Green氏は、「モビリティとは、携帯してから使用する端末だけでなく、携帯しながら使用する端末を意味する。われわれは、このことを改善するための機会について再検討した」と報道陣向けの事前説明で述べた。
新しいユーザーインターフェースに加えて、Windows 8には、Microsoftの「Live」サービスプラットフォームとの深いクラウド統合が含まれ、新しいセキュリティ機能とともに実現される予定である。BUILDで紹介されたその他の機能としては、「Windows To Go」などがある。同機能はWindows 8のポータブル版で、フラッシュドライブからブートし、中小企業向けのVirtual Desktop Infrastructure(VDI)の代わりとなる。
MicrosoftはBUILDにおいて、Windows 8の開発者向けプレビュー版を配布する予定である。Sinofsky氏は、「これは製品版ではなく、Windows 8のほんの始まりにすぎない。サードパーティーに対する機会として提供する」と述べた。プレビュー版は機能が完全ではなく、Metroと従来型のWindowsアプリケーションの両方をテストするためのプラットフォームを開発者に提供することを目的としたプレベータコードである。
またMicrosoftは、「Silverlight」の新しいバージョンが、Windows 8向けにMetroスタイルのアプリケーションを構築するために使用される2つの技術のうちの1つになることを明かし(もう一方の技術は、以前発表されたHTML 5とJavaScriptの組み合わせである)、今後のWindows開発について何カ月も前から流れている憶測を収束した。新しいプログラミングインターフェースセットである「WinRT」により、開発者は使い慣れたツールや技術を利用してWindows 8に対応することができる。
Buildに参加した開発者らには、Microsoftの開発ツール「Visual Studio」と設計ツール「Expression Blend」の新しいバージョンが提供される予定である。Sinofsky氏は報道陣らに対し、「Metroスタイルのアプリケーションは、Windows 8を稼働するすべてのマシン向けである。それらの間の違いにはプラットフォームが対応する」と述べた。
Windows 8のMetroアプリケーションは、それ自体もMetroアプリケーションであるオンラインストアで提供される予定である。同ストアへの公開用のツールは、Visual Studioの次期バージョンに組み込まれる予定だ。また、Microsoftは、アプリケーション認定プロセスを加速化するために、同社のテストツールのコピーを配布する予定である。Sinofsky氏は、同ストアでは、「Windows Phone Marketplace」で得た教訓が生かされる予定だと述べ、Microsoftは「よりよいものを構築するために競合他社からも学ぶ」つもりであることを示唆した。
Microsoftは、2012年後半にWindows 8をリリースする予定で、x86およびARMプラットフォーム向けのバージョンが提供される予定である。
◇明らかになる「Windows 8」
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この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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