マイクロソフトは2月20日、Windows XPユーザーを対象に、自動更新機能を使ってWindowsが正規品かどうかを認証するプログラムを開始すると発表した。
正規品を確認するためのプログラム「Windows Genuine Advantage(WGA)」は、すでに2005年7月より正式稼働しており、Windows UpdateやMicrosoft Update、Download Centerを利用する際に使われていた。新たに自動更新機能を使ってWGAを実施するこのサービスは「WGA Notifications」といい、すでに北米、イギリス、フランス、ドイツ、ブラジル、香港などで始まっている。今回新たに日本をはじめ、韓国、中国、ロシアなどの各国に拡大する。なお、Windows Vistaにはこの機能が最初から搭載されている。
WGA Notificationを開始する背景について、マイクロソフト Windows本部 マネージャーの篠田尚平氏は、「ユーザーは、自分のPCにインストールされたWindowsが違法コピーとは知らずに使っていることがある。それ自体が損害であるのみならず、違法コピーにはウイルスやスパイウェアが入っているケースもある。また、正式版を販売するパートナー企業も、安価な違法コピーとの競争で影響を受けている」と話す。
WGA開始以来、すでに世界で5億台以上のPCがWindowsのライセンス確認を受けているという。篠田氏によると、日本はライセンス認証に失敗する率が7%強で、その原因は流出したボリュームライセンスキーや違法なボリュームライセンスキー、ライセンス認証のハッキングなど。同氏は、「7%という数字は世界でも最も低い国のひとつだが、無視できない数字だ」としている。
WGA Notificationをインストールするかしないかは、ユーザー自身が選択でき、強制的にインストールされることはない。インストール後に認証作業が行われるが、万が一使用中のWindowsが正規品でなかった場合、マイクロソフトの専用サイトで詳細を確認した上で、正規品への移行が可能な「WGA Kit」を購入できる。ユーザーに全く落ち度がないと証明できた場合は、無償交換も受け付けている。
WGA Kitによる正規品への移行は、本来のパッケージ製品を購入するより安価な価格に設定されているが、その安さを狙って不正品を購入する確信犯が出てしまっては本末転倒だとして、マイクロソフトは現時点でWGA Kitの正確な価格を明らかにしていない。
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