RFIDタグを用いた新しいモニタリングシステムによって、出発ラウンジに入ってしまった乗客たちを追跡することができるようになり、空港のセキュリティが向上すると、同システムの開発者らは言う。
この計画は、チェックイン時にすべての乗客にRFIDタグを発行し、これによって人間が空港内でどのように移動したかをトランスポンダの識別情報とビデオカメラで監視できるようにするというもの。
このプロジェクトを率いるPaul Brennan氏は、ロンドン大学ユニバーシティー・カレッジの電子工学者である。このプロジェクトは、Optagと呼ばれるRFID技術を用いている。この技術は欧州連合から資金援助を得ており、ヨーロッパの企業と大学からなるコンソーシアムで開発されている。Brennan氏は11月にはハンガリーにある空港でこのRFIDタグのプロトタイプが試験される予定だと述べた。
Brennan氏は、もしこの試みが成功し、顧客を満足させられれば、2年以内に複数の空港で採用される可能性があるとしている。
Brennan氏によれば、Optagは疑わしい乗客の動きを追跡する機能によって空港のセキュリティを向上させようとするもので、警備担当者がそれらの乗客が立ち入り禁止区域に入ろうとするのを防ぐことができるようになるという。
同氏によれば、個人の場所を特定する機能は空港から避難を行わなければならない場面でも、迷子の子どもを見つけたり、出発ゲートに着くのが遅れた乗客を見つけたりするなどの用途でも利用できると言う。
Optagはこれまでの標準的なRFIDデバイスが数センチメートルの通信距離しか持たなかったのとは異なり、10〜20メートルの通信距離を持つところが特徴で、Optagの所有者は1メートル単位の精度で位置を特定することが出来ると、Brennan氏は言う。
Brennan氏によれば、Optagプロジェクトは完成に近づいているが、実装するには、まだいくつかの大きな課題が残っている。例えば、空港内でタグが適切に機能しているかどうかを把握することや、人々に確実にタグを身につけさせるシステムの開発、市民の自由の侵害についての心配をどう和らげるかなどがそれにあたる。
同氏は、この機器は「セキュリティ上の必要性から、特定個人の居場所の確認を可能にするものであって、誰が何をやっているかを調べようとするものではない」と述べている。
Optagに使われる機器の設計は、まだ確定したわけではない。Brennan氏はRFIDタグをつけたリストバンドを利用することを考えているが、この場合、そのリストバンドを外してしまったり乗客間で交換したりできてしまうことを指摘した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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