Microsoftは米国時間6月6日、電子メールセキュリティ製品「Antigen」の新製品を発売する計画だ。今回発表された新製品の名称からはSybariの名が消えている。Microsoftが、同製品を開発したSybari Softwareを買収してから約1年が経つ。
大小さまざまな規模の組織をターゲットにしたAntigenの各種製品は、スパムやウイルスメールからユーザーを保護する。Exchange電子メールサーバソフトウェアと連動するAntigenは、Microsoftがセキュリティソフトウェア分野に参入するうえで重要な製品と位置づけられている。Microsoftは1日に、消費者向けセキュリティ製品の「Windows Live OneCare」も提供開始している。
Microsoftのセキュリティ/アクセス/ソリューション部門製品管理ディレクターSteve Brown氏は、「Microsoftは縦深防御戦略の実現に向け、包括的な統合製品を提供するように努めていく。今回発表した製品で、われわれはこうした戦略をExchange環境にとり入れた」と述べた。
Microsoftは、これらの製品名からSybariの名称を削除している。Microsoftは、「Antigen for Exchange」「Antigen for SMTP Gateways」、「Antigen Spam Manager」「Antigen Messaging Security Suite」の4つのスキャン製品を7月1日に発売する。このほかにも、スキャンツールを管理する「Antigen Enterprise Manager」や「Antigen Management Pack for Microsoft Operations Manager」が発売される。
MicrosoftのAntigen製品管理ディレクターJoe Licari氏によると、同電子メールセキュリティソフトウェアには大幅なアップグレードが施されているという。これまでSybariが開発してきた製品のバージョンは8.0だったが、新しいMicrosoftブランドの製品はバージョン9.0になる。
新しく追加された機能のなかでも特徴的なのは、署名付きアップデートや一元管理機能だとLicari氏は述べる。また、クラスタ構成の複数のサーバ上で動作する電子メールシステムをサポートする機能も改善されたという。また新製品は、ウイルスチェックエンジンなど複数のMicrosoft製エンジンを搭載する。同ソフトウェアは複数のスキャンエンジンを使って電子メールを綿密にチェックする仕組みになっている。
Antigenは、製品公開前のコードを綿密にチェックすることを目指したMicrosoftのSecurity Development Lifecycle(SDL)プロセスの下で開発された。SDLは、製品にセキュリティ脆弱性が潜まないようにすることを目的に設計されたプロセスだ。
また、Microsoftは、Sybari買収前に存在した2つの製品の開発が終了する。Licari氏によると、「Sybari Antigen for Lotus Domino」および「Sybari Advanced Spam Defense」の販売は中止されるという。もっとも、既存の顧客については契約終了までサポートを継続するという。
Antigen製品のライセンス体系に大きな変更はないと、Brown氏は語っている。これらはMicrosoftのボリュームライセンスプログラムおよびチャネルパートナー経由で7月1日に発売される。また、3カ月の無償トライアルも用意される。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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