あるウェブ調査会社の報告によると、15日午前(米国時間)にあるドメインネームサーバを狙った攻撃があり、その影響でYahooやGoogle、Microsoft.com、Apple.comなどの人気ウェブサイトが、一時的にアクセスできない状態になったという。
ウェブ利用に関する統計を収集しているKeynote Systemsによると、この攻撃で西海岸時間の午前5時30分から午前7時45分まで、2時間以上にわたってネットワーク障害が発生したという。その結果、世界的に最も人気のあるサイトの多くがアクセス不能になるなど、影響は広い範囲に及んだ。通常の日なら、Keynoteの統計による上位40サイトへの到達可能性が99%を下回ることはめったにないが、しかし15日にはこの到達可能性が81%にまで低下したと同社は述べている。
最初のどのDNSサーバが攻撃を受けたかはまだ特定できておらず、また影響を受けた各企業は、それぞれ他社に責任があるとしている。Akamaiへの攻撃の影響がGoogleやその他のサイトに波及した可能性がある一方、逆にこれらのサイトが個別に標的にされた結果、Akamaiの運営する主要なインターネットサービスに圧力がかかることになったとする意見もある。
Akamaiの広報担当によれば、同社は「顧客企業4社」のサイトが攻撃を受け、それぞれがアクセス不能になったと認識しているという。ただし、これらの企業の社名は明らかにしていない。Akamaiは、顧客サイトへの攻撃の影響を受けて、自社のドメインネームサーバ(DNS)システムにも障害が発生したと説明している。ドメインネームサーバとは、文字ベースのURLを数値で表されるウェブサイトのアドレスに変換する役目を負うもの。
「われわれにわかっているのは、4社のサイトが攻撃を受けたが、その4社がたまたまAkamaiの顧客だった、ということだ。ただし、この攻撃がAkamaiを狙ったものなのか、それとも顧客のウェブサイトを狙ったものなのかはわからない」と、Akamaiの広報担当Jeff Youngは述べている。
このAkamaiの見解に対して異論を唱える者もいる。Keynoteは同日、AkamaiのDNSシステムに障害があったと報告しており、DoS攻撃の標的にされたのはAkamaiで、それが Yahoo、 Google、Microsoft、Appleの各サイトに波及したのではないかとの推測を明らかにしていた。
ネットワークセキュリティ企業 Arbor NetworksのセキュリティアーキテクトであるDug Songは、このネットワーク障害について、Akamai側で発生した問題のようだと述べている。同氏は、障害発生中にも、Googleなどの各サイトは機能しており、それにも関わらずwww.google.comとアドレスを入力してもGoogleのサイトにアクセスできなかったのは、このアドレスが数字で表されるIPアドレスに変換されなかったためだだろう、と説明している。
「これは明らかに、Akamaiで何らかの問題が起こったということだ」とSongはインタビューに答えてそう語った。「Akamaiが管理していた顧客向けのDNSが止まり、これらの人気サイトのアドレスが引けなくなった。そのため、各サイトが動いていたにもかかわらず、ユーザーがアクセスできなくなったのだ。ドメイン名がうまく変換されなければ、サイトへはアクセスできなくなる」(Song)
Songはさらに、この障害発生中にウェブ全体のトラフィック量も実際に減少したことがわかっていることから、Googleなどのサイトが分散型のサービス拒否(distributed denial-of-service:DDoS)攻撃の被害にあったとは考えにくいとしている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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