米国時間18日に発表されたある報告書によると、年間を通して増加の一途をたどっていたフィッシング詐欺は、2005年末にワースト記録を更新したという。
フィッシング詐欺に関する情報を提供する業界コンソーシアム、Anti-Phishing Working Group(APWG)は、2005年11月に検知された単一の電子メールからの詐欺事件の件数は1万6882件で、前年同期の8975件に比べほぼ2倍になっていると同報告書で述べている。
フィッシング詐欺で使用される電子メールは、銀行や電子商取引サイトのような確かな企業からあたかも送信されてきたかのように装う。犯罪者たちは、このような電子メールを使うことで、何も知らないウェブユーザーをだまし、個人情報や口座番号などを聞き出す。
詐欺で悪用されたブランドの数は2005年を通して50%も増え、2005年11月時点で前年の64社から93社に増えた。
しかし、インターネットセキュリティ企業Websenseでは、このような統計データはでているが、消費者の信頼に対する悪影響を企業は心配する必要はないと述べている。
「大々的な攻撃があると、特定のブランドは一時的に打撃を受けるが、電子商取引の成長自体は衰えていない」と欧州、中東、アフリカを担当するWebsenseテクニカルディレクターのMark Murtaghは述べる。「フィッシング詐欺のニュースが増えているにもかかわらず、オンラインバンキングの人気は高まる一方だ」(Murtagh)
ハッカーが人々をおびき寄せるために、定評のあるブランドを利用することから、有名ブランドは今後も悪用され続けるだろうと、Websenseは述べる。ほとんどのフィッシングサイトは、世界的なインターネット企業や銀行を装っている。
「当然のことながらeBayはよく使われる。Googleはさまざまなビジネスモデルを展開しているため、同社を装う攻撃もだんだん増えている。HSBC、Citigroup、Lloydsのような大銀行の名前もよく利用される」(Murtagh)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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