Microsoftは、「スパム王」Scott Richterとの和解により受け取ることになった700万ドルを、インターネット犯罪の撲滅活動や弁護士への支払い、ニューヨーク市に対する「慰労金」として利用することになった。
この発表は、Microsoftの法律顧問Brad Smithが同社のウェブサイトに公開書簡を掲載する形で行われた。
Smithによれば、Microsoftは弁護料を支払ったのちに、500万ドルを警察などの各機関に寄付し、コンピュータ関連犯罪の撲滅に役立ててもらうことにしたという。
またSmithは、「ニューヨーク州検事総長への感謝の印として、和解金の中からさらに100万ドルを同州に贈呈する。この資金は、若者や成人向けのコンピュータ関連トレーニングの拡大に使われることになる」と、この書簡の中で明らかにしている。
Richterは、年間380億通を超える電子メールを送信もしくは他者が送信するのに手を貸していたと言われている。Smithは、Richterを世界で最も「多産」なスパマーであるとし、今回の和解は画期的なもので、今後スパムビジネスに手を出そうとする者に対して、明解な警告となることを期待すると述べた。
Microsoftが10万ドルで和解を提案したとされる2004年末の時点で、Richterがこれを受け入れていれば、同氏は数百万ドルという賠償金のうち、ほんの一部を支払うだけで済んでいたはずだった。
この和解について、Richterは、「どうやったらこんなひどい仕打ちができるのかと、彼らには言った。今回の一件は、われわれにとっては嫌がらせ以外の何物でもなく、彼らにとっては無料の宣伝広告だった。訴訟を起こすのに数千ドル支払っただけで、報道関係者を山ほど集め、ユーザーにMicrosoftのスパム対策製品を購入させたのだから」と苦言を呈している。
Richterは3月末に、連邦破産法第11章に従って、みずからの電子メールマーケティング企業「OptInRealBig.com」の破産保護申請を行っている。同氏がMicrosoftとの和解に際して前提とした条件が、破産手続きの無効化を申請するということだった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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