トレンドマイクロは4月11日、スパイウェア対策を強化した企業向け総合セキュリティ製品の最新版「ウイルスバスター コーポレートエディション 7.0」を5月18日から出荷開始すると発表した。
クライアントPC向けの「ウイルスバスター コーポレートエディション 7.0」が5ライセンスで税抜き価格3万6000円、サーバOS向けの「ウイルスバスター コーポレートエディション 7.0 サーバ版」が20ライセンスで同6万9000円。また、ファイアーウオール機能付きの「アドバンス」もそれぞれ用意され、クライアントPC向けアドバンスが5ライセンスで同4万9000円、サーバOS向けが20ライセンスで同9万4000円。この料金は1年間のサポートサービス料金が含まれており、2年目以降も継続して利用するには契約の更新が必要になる。更新料は、更新発注時に提示される新規標準価格の50%。
ウイルスバスター コーポレートエディションは、ウイルス対策から不正侵入などさまざまな脅威からシステムを守れるソフトウェアで、社内システムをシステム管理者が一元で集中管理できる。バージョン6.5にもスパイウェア対策はあったが、1時間ごとなどあらかじめ設定した周期でスキャンして検出する機能だけだった。7.0も単体では検出する機能だけだが、別途ダメージクリーンナップサービス(5クライアントで1万6000円、2005年9月28日受注分まではキャンペーン価格1万1200円で提供)を導入すると、リアルタイム検出が可能になり、検出したスパイウェアを削除できるようになる。この機能を内包させなかったのは、「検出できるだけでいい」とする企業ニーズがあるためだ。さらに、スパイウェアに改ざんされたレジストリを復旧させることも可能だ。
このほか64ビット環境にも対応し、クライアントOSを自動判別してインストールする。出荷時にはインテル Itanium2に対応するが、2005年6〜7月頃にはAMD Athlon 64やインテル Xeon、Pentium 4などのエクステンデッドメモリ64テクノロジへも対応し、Windows XP 64ビット版対応のサービスパックもリリースする予定だ。
マーケティング統括本部プロダクトマーケティンググループのプロダクトマネージャである小林伸二氏は、トレンドマイクロのスパイウェアの定義を「ユーザーが望まない活動やユーザーの迷惑となる活動、ユーザーに秘匿した活動を行うプログラムのことだ」としている。そして、「ウイルスやワームは完全に悪で違法だが、スパイウェアは広告や個人情報の収集をおもな目的としており、かならずしも悪とは言えないので、スパイウェアの定義ファイルは相当精査している」という。
スパイウェアはその線引きが難しく、ウイルスとは異なりコンピュータシステムを改変するような「不正プログラム」とは単純にいえないというわけだ。スパイウェアが悪とされるのは、「収集した個人情報などをフィッシング詐欺などに利用したときだ」(小林氏)と言う。また、スパイウェアは多くの場合、ウェブサイトの閲覧時やソフトのインストール時にマシンに入り込むが、その際に使用許諾書を示し、そうしたプログラムがインストールされることを明記しているケースも多い。そのため、「スパイウェアが検出されたからといってかならずしも削除しなければならないわけではないが、放置すると個人情報の流出などにつながる場合もあるので、企業での取り扱いは十分慎重にするべきだ」と注意を促した。
今後は、年内中に企業ネットワークのゲートウェイでスパイウェアをブロックする製品も発売を予定している。なお、今回のバージョン7.0でサーバOS向けの「サーバ版」を出荷するので、ファイルサーバ用セキュリティ対策製品の「ServerProtect for Windows NT/NetWare」の販売を2005年12月ごろに終了する予定だ。ただし、「ServerProtect Network Appliance filers」「ServerProtect for Linux」「ServerProtect for EMC Celerra」の販売は継続する。
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