米Yahooは、位置情報をベースとしたソーシャルネットワーキングの世界への足掛かりを得るため、foursquareを買収したかったのかもしれないが、それとは別の道を見つけた。
Yahooは米国時間5月25日、モバイルユーザー向けソーシャルネットワークサービスを運営するKoprolを買収したと発表した。インドネシアのジャカルタに拠点を置くKoprolは、友人を作る、写真を共有する、近くにある人気の場所を探すといった多様なサービスをモバイル環境で実現している。24日には、YahooとNokiaがジオロケーション(地理位置情報)サービスへの関心の高まりを見据え、5年間続いている提携関係を拡大した。両社は、Nokiaの地図サービス「NAVTEQ」をYahooに提供し、Yahooの電子メールおよびインスタントメッセージング(IM)技術をNokiaの「Ovi」サービスに提供すると発表している。
モバイル機器からKoprolにアクセスすると、友人が何をしているか、どこにいるかを確認できる。また、近くのレストランや商店、店舗などを探して、好みかそうでないかを評価できる。さらに、ディスカッションを新規に立ち上げ、会話に他のユーザーを招待することもできる。こうしたあらゆるフィードバックに基づき、Koprolは地域の活動や資源に関するきわめて包括的なデータベースを構築できる。そして、この点にYahooは魅力を感じ、新たにKoprolを傘下に収めたのだ。
Yahooは、Koprolによるコミュニティーベースの情報を利用し、Yahooのホームページや他の各種サイトおよびサービスを、地域とモバイルユーザーにより関連性の高いものにする計画だと述べた。Koprolは現在のところインドネシアに特化しているが、Yahooは世界の他の地域にもサービスを拡大する計画だと述べた。
Yahooでアジア太平洋地域担当シニアバイスプレジデントを務めるRose Tsou氏は、次のように述べた。「ユーザーは、コミュニケーションやインターネットへのアクセスにおいて、ますますモバイル機器に依存するようになっており、こうした機器とPCとのシームレスな統合を求めている。そうした傾向は、当社が多くの新規ネットユーザーにYahooブランドを紹介する新興市場で特に顕著だ」
Yahooは、「BlackBerry」向けの新たなアプリケーションなどでKoprolのサービスを強化する予定で、今後は他のモバイル機器向けにもアプリケーションを公開する見込みだと述べた。一方のKoprolチームは、これまで通り業務を継続するが、Yahooの支持と援助を得て、予想より迅速に新機能を公開できるようになる可能性が高いと述べた。モバイルアプリケーションを増やすこと以外にも、インドネシア語版や企業ユーザー向けアカウントなど、いくつかの新規開発が予定されている。
Yahooの最高経営責任者(CEO)を務めるCarol Bartz氏は、位置情報ベースのモバイルユーザー向けソーシャルネットワークという最新トレンドに注目し、以前から企業買収を通じてこの市場を活用したいと考えていた。同社はfoursquareを選択する方向に傾いていたが、交渉は現時点で足踏み状態にあるようだ。
Koprolの買収額など金銭的な詳細は明らかにされなかった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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