「課金、広告を併せて月間4000〜5000万円を売り上げているアプリがいくつも出てきている」――ミクシィ代表取締役社長の笠原健治氏は、2009年8月から提供しているmixiアプリの状況について、このように語る。これは2月17日に開催されたオンラインゲームやコミュニティに関するイベント「OGC 2010」で明らかにしたものだ。
mixiアプリはミクシィが公開したAPIを使って、第三者がmixi内にゲームやネットサービスなどを公開できるようにしたもの。アプリを通じてユーザーの交流を活発化させるのがミクシィの狙いだ。「これまでは日記がキラーコンテンツで、これを軸にmixi内のコミュニケーションが活発になっていた。mixiアプリの登場により、日記よりライト、もしくはディープなコミュニケーションができるようになる」
最も人気を集めているRekoo Mediaの「サンシャイン牧場」は、2月8日時点で約453万人のユーザーがいる。植物や動物を育てながら、友人の畑に水をあげたり、代わりに世話をしてあげたりすることが、コミュニケーションにつながっている。
mixiアプリの開始から約半年が経過し、大きな売り上げを上げるアプリが出てきたと笠原氏は言う。月間1億円を売り上げているアプリもあるとし、「年間で1本10億円以上を売り上げるアプリがいくつか出てくる可能性がある」と期待を寄せた。
笠原氏はmixiについて、「モバゲータウンやGREEとは違う」と強調する。mixiは招待制を採っていることもあり、既知の友人とのつながりを重視したサービスになっている。ソーシャルアプリについても、他のユーザーとコミュニケーションを取るのが目的だ。これに対し、モバゲータウンやGREEは、「ゲームをするためにサイトにアクセスし、例えば釣りゲームなどのように気に入ったゲームで誰かと出会って、その人と競争したり協力したりする。基本的に匿名で、見ず知らずの人とつながっていくサービス」というのだ。
「モバゲータウンやGREE(のソーシャルゲーム)はオンラインゲームなどの既存市場(に含まれる)が、mixiアプリは実際にはゲームではなく、ユーザーがコミュニケーションをするための新しい市場」とし、「狙っているサービスのコンセプトやビジョンが全く違うと思うので、そこを踏まえてアプリを作ってもらいたい」と呼びかけた。
笠原氏はこれからmixiアプリを開発する人にとって、特に携帯電話向けのアプリが狙い目だと語る。「PC版に比べて、モバイル版はユーザー全体的にヒットしているサービスが出てきていない」というのがその理由だ。「Facebookを見ても、この分野はmixiにまだないと言うアプリがいくつかある。ビジネスチャンスとしては“がら空き”なところもあるので、ぜひ参入して欲しい」と話した。
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