オーセンスグループが弁護士マッチングサービス「弁護士ドットコム」のモバイル版を3キャリア対応の公式サイトとして公開した。
弁護士ドットコムは1600人以上の弁護士が登録する弁護士検索マッチングサイト。交通事故、離婚、借金問題、遺産相続、労働問題など、個人による質問から、企業顧問、企業法務など法人についての問い合わせまで、あらゆる法律相談が寄せられるという。累計法律相談件数は12月21日時点で1万6000件を突破しているとのことだ。
モバイル版の「弁護士ドットコムモバイル」は、ユーザーがより気軽に、迅速にトラブルを相談できるようにしたもの。無料一括見積や弁護士検索サービス、人気弁護士ランキングなどのコンテンツに、PCのない環境からでもアクセスできる。また月額315円を支払うと、法律Q&Aサービス、役立つ法律知識、法律用語辞典など、PC版と同等のコンテンツを利用できる。
オーセンスグループ代表取締役社長で弁護士の元榮太一郎氏は、「法律の問題は人知れず悩んでいる人が多いため、よりパーソナルなモバイルとの親和性は高い」と語る。携帯電話から利用可能にすることで、職場や家庭のPCからは相談しづらい内容も話しやすくなると見ている。さらに「借金問題などで困っている人はPCを持っていないことも考えられる。その場合は携帯電話がライフラインになる」(元榮氏)という事情もある。
弁護士ドットコムは2005年8月にオープン。弁護士のマッチングにオークションの仕組みを持ち込み、弁護士を選ぶ際に価格比較できるようにした。
弁護士ドットコムのおすすめコンテンツは「みんなの法律相談所」だ。これは法律特化型のQ&Aサービスで、ユーザーの質問に対して弁護士が回答してくれる。法律事務所で相談すると相談料がかかるが、みんなの法律相談所では無料で回答が寄せられる。
「弁護士もこれまでは顧客開拓の努力が足りなかったと考え始めている。いまは顧客獲得に力を入れてきているので無料で回答してくれる。1つの質問に4、5名の弁護士から回答がくることもある」(元榮氏)
弁護士の数が増え続けていることで、業績が横ばいか右肩下がりの弁護士が続出しているという。そのような中、弁護士ドットコムを積極的に活用する弁護士が増えているそうだ。
弁護士には質問に回答するごとに弁護士ドットコムの独自ポイントが与えられ、ベストアンサーに選ばれると、さらに多くのポイントが付与される。ユーザーが弁護士を検索した際には、このポイント合計数が多い弁護士から順に上位表示されるという仕組みだ。弁護士を探す人、依頼人を求める弁護士、法律のQ&Aを閲覧する人、すべてのユーザーにメリットがあるエコシステムができあがっている。
将来的にはペイパーコールのシステムを導入して無料で30分間、弁護士に電話で相談できるサービスを提供する計画だ。「いまは弁護士に自己紹介しているだけでお金が発生してしまうが、案件依頼の前段階の相談は無料でやるべきではないか。2010年には実現したい」(元榮氏)。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」