まもなく、「Facebook」ユーザーは同サービスにログインするとき、プライバシー設定の変更を依頼する見慣れない画面を目にすることになるだろう。依頼されると言っても、この入力はいずれ必須となる。
「われわれの知る限り、これほど多くのユーザーが自分のプライバシーについて自ら決定を下すよう求められるのは、インターネットの歴史で初めてのことだ」とFacebookの広報担当であるSimon Axten氏は述べた。
Facebookは米国時間12月9日、最高経営責任者(CEO)のMark Zuckerberg氏が先週ブログに書いた変更点について、詳細な情報を提供した。この変更には、地域ネットワークの廃止のほか、基本的なプロフィール情報を全員に公開すると同時に、個々のコンテンツについては閲覧を許可する相手をより細かく管理できるようにする機能も含まれる。さらに、Facebookは、複雑すぎると批判されてきたプライバシーコントロールを簡略化した。しかしながら、同社はユーザーに対し、一部の情報を公開することも求めている。
Facebookは長年にわたって、批判や訴訟の対象になっており、同社のプライバシーポリシーへのさまざまな変更を巡って、連邦政府への申し立てを示唆されたこともある。
Facebookは2007年、ユーザーのパートナーサイト上での行動をFacebookの友達に公開する「Beacon」広告サービスを発表した。例えば、「Fandango」で映画のチケットを購入すると、そのことがFacebookの全ての友達に即座に伝わるのだ。Beaconプログラムは、2009年9月に和解が成立した集団訴訟や、MoveOn.orgなどの消費者擁護団体による運動を引き起こした。和解条件の一部として、FacebookはBeaconを停止し、「オンラインプライバシーと安全性、セキュリティを促進するプロジェクトおよびイニシアチブに資金提供する目的で」、ある独立財団に950万ドルを寄付することに同意した。
Facebookは2月、ユーザーが生成したコンテンツについて、同社に恒久的な管理権を認めるかのようなポリシー変更を発表したことで、再びプライバシーに関する激しい批判にさらされた。このことがきっかけとなって、電子プライバシー情報センター(Electronic Privacy Information Center:EPIC)が米連邦取引委員会(FTC)に申し立てを行う可能性を示唆したほか、「People Against the new Terms of Service」と呼ばれるFacebookグループも結成され、ポリシー変更に抗議する約15万人のメンバーを集めた。こうした騒動を受けて、Facebookはポリシー変更を撤回し、CEOのMark Zuckerberg氏が記者会見を開くことになった。Zuckerberg氏はその会見の中で、Facebookの意志決定をさらに透明化するため、同社が「サイトガバナンスに対する新たなアプローチ」を策定することを発表した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。 原文へ
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