エニグモは10月7日、オンライン雑誌販売/閲覧サービス「コルシカ」を開始した。
コルシカは、雑誌を購入することでその電子データをオンラインで閲覧できるサービス。配送料を支払うことで、実物の雑誌を配送してもらうこともできる。
エニグモでは、コルシカについて「取次を通して販売する数量の雑誌をコルシカが実購入しているため、雑誌販売の機会が増加する」「現状の業界の枠組みを踏襲しており、権利者の権利が保護されている」と出版社に対するメリットをうたっているが、これが物議をかもしている。
コルシカはエニグモが単体で提供するサービス。つまり出版社からの利用許諾などを得て電子データを提供しているわけではない。雑誌は取次を通じて販売するが、エニグモが独自に雑誌をスキャンすることで、電子データ化しているのだという。
通常、出版社が著作権を有するコンテンツを無断でオンライン上にアップロードしたり蓄積したりすることは、著作権法上の「送信可能化権」や「複製権」の侵害にあたる。これに対してエニグモでは「ユーザーが購入した雑誌をスキャンして電子化することは、個人利用の範囲。我々はそれを代行している。電子データも購入者以外閲覧できず、ダウンロードなどもできない仕様にしている」としている。
同社には、すでに複数出版社から「権利絡みの問い合わせがある状態」(エニグモ)で、中にはコンテンツの即刻削除を要求するものもあったという。最悪の場合、著作権の侵害で出版社との訴訟に発展する可能性もあるが、エニグモでは「本日開始したばかりのサービスであり、今後についてはコメントを控えさせていただく」としている。
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