最新のトレンドをつかむのに200万人の母集団では小さすぎるというのは、どういったケースだろう?
ウェブサイトの訪問人数という、一見簡単そうだが実は難しい計算の場合がそうだ。
comScoreは米国時間5月31日、ウェブトラフィックに関する数値の精度を上げるため、新しい計測手法に移行すると発表した。同社はパブリッシャーや広告主にさまざまなウェブサイトの訪問者数に関する数値を提供し、一部では分析分野のトップ企業とされている。これまで、同社は世界中に散らばる200万人のパネル調査対象者の行動をもとにトラフィックを判断してきたが、新サービス「Media Metrix 360」では、訪問者の総数を集計可能なウェブサーバから直接得た統計が、従来のデータに加味される。
このハイブリッドな手法は、パネル調査という従来の手法の正当性を長年にわたり断固として主張してきたcomScoreにとっては大きな方針転換だ。comScoreの最高経営責任者(CEO)Magid Abraham氏は、この移行により、comScoreの統計は人気の実態を大きく過小評価しているとするパブリッシャーからの不満について、その大半が解消されるのではないかとみている。
「われわれは大きなギャップを修正することになる」とAbraham氏は語る。「わたし個人の所信かつ希望だが、これで90%を超える問題点に対処できるはずだ。(中略)パブリッシャー側が大きく異なる測定方法を利用していない限り、今後は相違はみられないはずだ」
新手法も基本的にはパネル調査をベースとするが、調査に協力するパブリッシャーから訪問者の総数に関するサーバデータの提供を受け、これを活用する。Abraham氏によると、comScoreはこの手法により、現在のパネル調査では漏れている部分、具体的には携帯電話、大企業、アジアやラテンアメリカのネットカフェ、学校や図書館の公共端末などからのトラフィックについて、推計の精度が改善されると考えている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。原文へ
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