SkypeユーザーのWindows版「Skype 4.0」に対する反応は、きっと好き嫌いが分かれていただろう。Skypeは米国時間5月27日にリリースした「Skype 4.1」ベータ版で、「Extra」の強化を図りつつ、スクリーンの共有という、インパクトの大きい新機能を追加して、ユーザーから好評価を得ることを狙っている。
Skypeのスクリーン共有は、VoIPコミュニケーションを実現するアプリケーションにとって、スマートな追加機能となる。テスト利用を進めてみたところ、とりわけSkypeの音声通話やチャット機能との連携が高まっている。まずまずのクオリティの共有スクリーンと、数秒ほどのズレが生じる問題などはあるものの、多くの一般ユーザーにとって、それほど気にかかることはないだろう。だが、現時点では、単独のスクリーン共有アプリケーションや、頻繁にコラボレーションを要求するサービスの代わりに、この新たなスクリーン共有機能を用いるようなことはお勧めできない。Skypeのスクリーン共有機能は、閲覧のみに限定されている。テクニカルサポートの提供に適した「CrossLoop」などのリモートアクセスツールとは異なっているのである。しかしながら、デモンストレーションを行う目的であれば、Skypeのスクリーン共有機能は、離れた場所にいるコンタクト先との連携を進める、新たな手法として活用できるだろう。
スクリーン共有機能は、コンタクトスクリーン上の「Share」ドロップダウンから、「Share Your Screen」ボタンをクリックすることでスタートする。その後、Skypeは、フルスクリーンモードもしくは一部のスクリーンの共有という選択肢を提供する。スクリーン共有ボタンをクリックすると同時に、音声通話も開始するようになっている。その後、共有スクリーンの赤色の太い境界線をクリックしてドラッグすれば、スクリーンサイズの変更が可能となる。セッション中は、フルスクリーンモードと一部のスクリーンの共有モードを、ボタンで切り替えられるようになっている。基本的にスクリーン共有では、コンタクト先に、スクリーンをビデオ録画して配信する仕組みが採用されているため、ビデオ通話機能とスクリーン共有機能を同時に利用することはできない。どちらか一方のみを、選択利用することになる。
また、Skypeのスクリーン共有機能は、他の多くのサービスと同じく、招待制で片方向の機能となっており、各セッションの開始と終了には、招待によるホストコントロールが提供される。片方向の閲覧となるため、招待されたゲストユーザーには、指定された境界内のスクリーンのみが見えることになる。また、Skypeのユーザー同士が、互いのスクリーンを同時に閲覧することはできない。
Skypeのスクリーン共有機能の追加により、現在のところは、同時には、ホストユーザーとゲストユーザーという関係で、2人のユーザーしか利用できないものの、国際的なビジネス分野での通信向けに、新たに低価格の選択肢が登場することになる。ホストユーザーとゲストユーザーの関係は、スムーズに、また、頻繁に切り替えることができる。将来的には、ホストユーザーが、複数のコンタクト先と同時にスクリーンを共有できるように、スクリーン共有機能が、グループチャットにも対応するのではないかと予測している(Skypeが、有名なコラボレーションソフトやオンライン会議ソフトなどに、将来的に対抗し、エンタープライズ向けに進出を強化してくるのかどうかが、興味深い点となるものの、現時点では、このすべては単なる推測に過ぎない)。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ
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