インターネットやモバイル関連の企業の経営者が集まるカンファレンス「Infinity Ventures Summit 2009 Spring(以下、IVS)」が2009年5月21日から22日まで札幌で開催されている。
このIVSの面白さはなんといっても、各セッションでの経営者同士のディスカッションや会場にいる経営者からのスピーカーへの質問だろう。
ミクシィ代表取締役社長の笠原健治氏の講演を終えたあとには、会場にいるモバゲータウンを運営するディー・エヌ・エー取締役の守安功氏やグリー代表取締役社長の田中良和氏を交えての質問を受ける一幕もあった。
ミクシィのmixi事業本部長の原田明典氏も参加したこの質疑のやり取りの一部を披露しよう(モデレーターはインフィニティ・ベンチャーズ共同代表の小野裕史氏)。
モデレーター:mixiアプリの市場規模はどれぐらいを期待しているか?
笠原氏:ミクシィの売り上げは現在、120億円程度だがそれぐらいの市場は間違いなくできるだろう。また、(mixiアプリでソーシャルアプリを提供する)どこか1社は100億円ぐらい売上げる企業が出てくるだろう。
モデレーター:mixiは7割以上のページビュー数がモバイルからとなっていて、モバイル中心のSNSと言える。また、携帯電話キャリアの公式サイト(たとえばNTTドコモのiメニューなど)となっているが、公式サイトという中でどこまでオープン化できるのか? mixiアプリで誰でもソーシャルアプリを配信できるのか?
笠原氏:基本的には誰でもアプリケーションを配信できる。ミクシィ側で(第三者が作った)アプリケーションのチェックをするが、あくまでもそれはネガティブチェックだ。スパム的なものではないか、バグがないか、公序良俗に反していないかといったことをチェックする。
モデレーター:そういった、モバイル向けのアプリケーションも課金ができるのか?
笠原氏:課金もできる。
モデレーター:となると、携帯電話キャリアの中に(第三者が)アプリケーションを配信できるプラットフォームが出現するということになる。
笠原氏:mixi上ではすでに誰でもコミュニティーを作成できる。それは携帯電話キャリア側の許可を必要としていない。それと変わらない話だと思う。当然、ミクシィ側の利用規約に反していないかはチェックする。
モデレーター:たくさんのソーシャルアプリが配信されると、どうやってソーシャルアプリをユーザーが探してよいかがわからなくなるのではないか? また多くの企業にとって収益化が難しくなるのではないか?
笠原氏:基本的には、自分のマイミクの間で何が流行っているのかが一番重要だ。友人が使っていなければ、ユーザーはアプリを使い続けるのが困難。自分の周りで旬なアプリが何かがわかるのが大事で、友達が使っていることがわかるようなインターフェイスを作っていく予定だ。
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