Googleは他社が創り出したコンテンツを利用して利益を上げているとして、新聞社の幹部や雑誌出版社、Associated Pressから批判を受けているが、同社のMarissa Mayer氏は米国時間5月6日、米国上院小委員会の公聴会において、Googleもジャーナリズムに貢献していると主張した。
Googleに対して最近行われた批判としては、Forbes.comの最高経営責任者(CEO)であるJim Spanfeller氏が「そのビジネスモデルは寄生虫のような性質を持っている」と述べ、Googleは同社サイト経由でForbesのサイトに人々を導くことで年間約6000万ドルを得ていると主張したことが挙げられる。
検索製品およびユーザーエクスペリエンス担当バイスプレジデントであり、Googleの検索とGoogle Newsサイトの責任者であるMayer氏は、違った見方をしてほしいと考えている。同氏は公聴会でまず、人々をニュースサイトへと導くことが貴重なサービスとなっているという点は見過ごされるべきではないと主張した。
Mayer氏はその証言原稿によると「Google NewsとGoogle検索によって、1カ月当たり10億以上のクリックという規模で、興味を抱いた読者をオンライン新聞サイトに導いているため、そういったサイトに対して貴重なサービスを無償で提供していることになる」と主張したという。
Mayer氏は、コミュニケーション、テクノロジ、インターネットに関する上院小委員会における、ジャーナリズムの将来に関する公聴会で意見を述べた数人のうちの1人である。意見を述べた人物としては他に、John S. And James L. Knight FoundationのCEOであるlberto Ibargüen氏や、作家兼テレビプロデューサーであり、新聞社に勤めていたこともあるDavid Simon氏、Washington Postの前編集局長であるSteve Coll氏、Dallas Morning Newsの発行人兼CEOであるJames Moroney氏、Huffington Postの共同創業者であり編集長であるArianna Huffington氏がいる。
Mayer氏は、Googleのサービスがジャーナリズムにいかに恩恵をもたらしているかについて、「Los Angeles Timesのウェブサイトは昨年、カリフォルニア州南部で発生した山火事の延焼状況を報道するにあたり、Google Mapsを利用していた」と述べた。
またMayer氏は、ウェブパブリッシングとの付き合い方について建設的な評論を展開し、Googleだけではなく、ウェブというものがオンラインジャーナリズムを大きく変えていっているということを間接的に指摘した。同氏は特に、人々はオンラインニュースを1つの記事単位に読み(記事が「消費の最小単位」となっている)、新聞のような単位で読まないことがしばしばであると指摘している。だからといって、ニュースサイトは記事を読み終えた読者をそのままにしておくしか術がないというわけではないという。
Mayer氏は「ウェブの構造によって、ニュースの最小消費単位が新聞1紙から個々のニュース記事へと変化した」と述べるとともに、「発行元は、ウェブが提供できるシンプルかつ効果的な操作性というものを軽視すべきではない。読者がオンラインで1つの記事を読んだ後、その読者の『次には何をすべきか?』という疑問、すなわち関連記事をクリックするのか広告をクリックするのか、コメントを投稿するのか、同じ話題に関する過去の記事を読むのかという疑問に答える責任は発行元にある」と述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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