ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)大手のFacebookは米国時間2月17日夜、有力なプライバシー保護団体による連邦機関への提訴の恐れや数万人に及ぶユーザーからの反発を受け、多くの人が問題だと見ていたプライバシーポリシーの改訂を一時撤回すると発表した。
改訂版の規約は、ユーザーがアップロードしたコンテンツについて、Facebookが永久的な権利を有すると受け取られる内容になっていた。これに対しては電子プライバシー情報センター(EPIC)が米連邦取引委員会(FTC)に提訴する姿勢を示し、Facebookに対して規約を元に戻すよう要求していた。
Facebookの最高経営責任者(CEO)Mark Zuckerberg氏は17日夜、同社公式ブログへの投稿の中で、同社が規約改訂の一時撤回を決めたことを明かした。
Facebookでは多くのスタッフが集まり、丸一日かけて今後の対応について議論した。対応策としては、当社の立場をさらに明確にするために、新しい文言で新規約を速やかに書き直すという案もあった。あるいはもっと単純に、次の改訂版に向けた取り組みを開始するまでの間、元の規約に戻すという案もあった。対応について社内で検討する一方で、定評のある外部の諸機関に助言も依頼した。
将来を見据え、われわれは規約作成について新たな姿勢で臨むことを決めた。そして現時点では以前の規約に戻すことが正しい選択だという結論に至った。私が昨日(2月16日に当ブログで)書いたように、当社では規約の大部分があまりにも形式的かつ保護的だと考えており、長い間このままにしておくつもりはない。
Zuckerberg氏はまた、新しく導入される一連の規約については、ユーザーの権利をより慎重に考慮した上で適用するとの意向も表明した。
1億7500万人以上の人が、当社のサービスを利用している。国にたとえれば、これは世界第6位の人口にあたる規模だ。当社の規約は、単にわれわれの権利を保護するための文書ではない。世界中のすべての人がサービスを利用する方法について定めた、基本文書と言える。この重要性を考えると、当社には規約においてサービス利用者の価値や原則が十分に反映されるよう努める必要がある。
次期改訂版では、現行版を大幅に修正する予定だ。ユーザーのみなさんによる自身の個人情報の共有および管理方法について、私が昨日説明した原則を反映させ、すべての人が理解できる言葉で明確に書かれた規約にするつもりだ。当社の利用規約は、われわれすべての指針となる基本文書であり、これらの規約を作成するにあたってはFacebookユーザーのみなさんからも多くの意見をいただきたいと考えている。
Facebookは17日、規約改訂撤回の決定に先立ち、同社ユーザーに対し元の規約に戻すべきかどうかを尋ねるアンケートを行った。またZuckerberg氏は公式ブログの投稿の中で、次期改訂版の作成にあたってはユーザーに協力を依頼する計画にも言及している。
Zuckerberg氏は以下のように書いている。「当社における新たな規約の作成に参加したい方は、新しく立ち上げたグループ、Facebook Bill of Rights and Responsibilities宛てに質問、コメント、リクエストを投稿してほしい。みなさんからのご意見を読むのを楽しみにしている」
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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