UPDATE Googleは傘下のYouTubeのユーザーデータをViacomに提出するよう裁判所から命令を受けた。しかし、Viacomに近い情報筋が米国時間7月3日、CNET News.comに語ったところによると、YouTubeにおける著作権侵害の横行を証明する目的以外でViacomがデータを使用した場合、Viacomは法廷侮辱罪に問われる可能性があるという。
これは重大な問題だ。法廷侮辱罪は弁護士資格の剥奪にもつながる可能性があるからだ。
2日夜、連邦裁判所の裁判官はGoogleに対し、閲覧された動画、IPアドレス、ユーザー名といったYouTubeユーザーの行動に関する情報を、2007年から著作権侵害訴訟で争っている相手方Viacomに引き渡すように命じた。しかし情報筋がCNET News.comに述べたところでは、この命令は各ユーザーの個人情報を隠すための厳しい保護命令を伴っているという。
保護命令の内容は、GoogleからViacomに引き渡されるデータを、ViacomはYouTubeが著作権を侵害する動画コンテンツの温床となっているという主張を証明する目的以外に使用してはならないというものだ、と情報筋は語った。また、ViacomはYouTubeのユーザーデータに直接アクセスできない、とも述べている。データへのアクセスは外部の法務顧問と専門家に限定されている。
つまり、違法な音楽ダウンロードを行う個人に対する全米レコード協会(RIAA)の訴訟のような形で、Viacomが個人ユーザーを標的とすることは禁じられている。
データの目的外使用は、訴訟でのViacomの立場を危うくするおそれもある、とConvergence Law Instituteの上級アナリストJim DeLong氏は述べている。「本来のものではない目的のためにデータを利用すると全体的な戦略を損なう可能性があるので、Viacomが実際にそういう使い方をするとは思えない。Viacomが焦点にしているのは、コンテンツプロバイダーとGoogleのような企業との間の基本的な関係だ」
裁判所のデータ提出命令が明らかになると、怒りや憤りといった反応がすぐに現れ、主要なプライバシー擁護派は米連邦地裁の裁判官Louis L. Stanton氏の決定を強く非難した。「裁判所の命令は、(中略)YouTubeユーザーがどんな動画を閲覧しているかという、きわめて個人的な情報を晒す危険がある」と、電子フロンティア財団(EFF)のKurt Opsahl氏は2日夜、ブログに投稿している。「裁判所の間違った判断はプライバシーの権利を後退させ、ユーザーがYouTubeで何を視聴しているのか、Viacomが知ることを許してしまうだろう」(Opsahl氏)
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