ソーシャルネットワークのFacebookは米国時間5月9日、プロフィールデータや認証情報を外部のウェブサイトでも利用できるようにする新技術「Facebook Connect」を発表した。データポータビリティの概念を取り入れる大手サイトがまた1つ増えたことになる。
この公式発表は、同社のシニアプラットフォームマネージャーであるDave Morin氏が、Facebookの開発者向けブログへの投稿を通じて行った。同氏はここ数年、開発者コミュニティで特に目立つエバンジェリストの1人となっている。Facebook Connectは、今後数週間以内に利用可能となる予定だ。
Facebookの会員はFacebook Connectを利用して、プロフィール用の写真、ユーザー名、友人、グループ、イベントといったID情報を、ウェブ上のあらゆる場所で利用できるようになる。たとえば、Facebookのプロフィールのコンテンツを他のソーシャルサイトで表示させることが可能になるだろう。また、Facebookのイベント情報を、外部のイベントサービスやインビテーションサービスから利用することも考えられる。
認証プロセスはFacebookが行うことになる。プライバシーの管理についてはまだ明らかになっていないが、Facebookはユーザーの安全性確保が最優先課題だという点を強調している。同社がこの点についてとりわけ慎重に行うだろうということは、信ずるに足る根拠がある。Facebookは、広告プログラム「Beacon」ですでに外部サービスとのデータ共有を実施したことがあるが、Beaconの導入時に犯したPR不足による失策を二度と繰り返したくないはずだからだ。
これは、Facebookにとって大きな動きだ。これまで、Facebookはデータを手元にとどめておきたがることで有名で、人気ブロガーのRobert Scoble氏がスクリプトを使用して自分の連絡先リストをPlaxoにエクスポートした際に、同氏のFacebookアカウントを停止したこともある。しかし、Facebookは共同作業グループのDataPortability.orgにも関係者を送り込み、同社の幹部らも、Facebookがいずれは同サイト内の情報を外部サイトにも持ち出せるようにしたいと考えている、と述べてきた。
Morin氏はブログへの投稿で次のように書いている。「Facebookは、世界中のユーザーのためにデータポータビリティのビジョンを実現することを目指しているが、これでほんの数歩前進したにすぎない。われわれの考えでは、データポータビリティの次なる進化は、データよりもはるかに多くのものを対象とする。それは、ユーザーが自分のIDと交友関係をウェブのあらゆる場所に持ち出せるようになることであり、その一方で、その情報がつねに最新で、自分のプライバシー設定に従ってつねに保護されている、と信頼できることだ」
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