M・ケイパー氏:3Dカメラが仮想世界のインターフェースを変革する

文:Daniel Terdiman(CNET News.com) 翻訳校正:佐藤卓、高森郁哉2008年02月18日 19時54分

 カリフォルニア州スタンフォード発--多くの人たちと同様、Mitchell Kapor氏も、仮想世界が非常に使いづらいことを十分認識している。

 Kapor氏は「Lotus 1-2-3」の開発者で、「Second Life」を運営するLinden Labに投資した最初の人物となり、同社の役員も務めている。そのKapor氏が米国時間2月15日、当地で開催された「Metaverse Roadmap」会議に出席し、仮想世界を利用することをよりよい体験にするには何ができるか、という話題について語った。

 「何が仮想世界を使いやすくするだろうかと、そのことばかり考えている。私は、あるハードウェアがかかわってくると思う」と、Kapor氏は興奮した面持ちで語った。

 Kapor氏は、3Dカメラが新種の入力方法を提供できるかもしれないという考えを示した。3Dカメラにより、ユーザーが行うことを随時入力できるというのだ。

 Kapor氏によると、GUIによる入力方法として現在標準のマウスとキーボードは、仮想世界の利用においてあまり合理的でないにもかかわらず、他に方法がないため誰も疑問に思わないのだという。

 しかし、Kapor氏は、Steven Spielberg監督の映画「マイノリティ・リポート」で有名になった未来のグラフィカルディスプレイを例に挙げた。俳優Tom Cruise氏の演じる主人公は、このディスプレイを使い、スクリーン上の情報を両手で動かすことができた。

 「『マイノリティ・リポート』を思い出してほしい。私は今日ここで、(あの技術が)数年後に実現すると言っておく」(Kapor氏)

 さらにKapor氏は、現在2Dカメラがごく普通にコンピュータに内蔵されているように、将来は3Dカメラがコンピュータに組み込まれるようになり、早ければ12カ月後にも利用可能になると予言した。

 基本的には、3Dカメラを利用することで、仮想世界ソフトウェアが現実世界でのユーザーの動きを読み取り、その動きをデータに変換してソフトウェアに送り込むことが可能になる。つまり、ユーザーが片手を上げればそのアバターも片手を上げる、といったことが可能になるのだ。

 Kapor氏は、どのようなインターフェースになるのかはわからないとしながらも、「Segway」のインターフェースのようなものがベースになるかもしれないと示唆した。Segwayは、乗っている人が体を前に傾けると前進し、後ろに傾けると後退する、といった動き方をする。

 「つまり、現実世界で左に顔を向ければ、自分のアバターも左を向くようにしたいのだ。私が笑えばアバターも笑うようにしたい。3Dカメラはその動きを十分読み取ることができるはずだ。これにより臨場感が驚異的に飛躍するだろうと、私は予想している」(Kapor氏)

 Kapor氏は、3Dカメラによってバーチャルな体験が向上するもう1つの例として、3次元オブジェクトを編集する方法の改善を挙げた。

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