インターネットとモバイル通販のソリューションビジネスを紹介する展示会「ネット&モバイル通販ソリューションフェア2008」において2月12日、「インターネットコマースの新たな潮流とは?」と題した特別講演が行われた。
今回の特別講演では、ngi groupの代表執行役社長兼CEOの小池聡氏がモデレーター役を務め、THE SECOND TIMES編集長の箱田雅彦氏、博報堂DYグループiBCセンター長の勝野正博氏、シーネットネットワークスジャパン編集統括の西田隆一の3名のパネリストによる3Dインターネットの現状と最新事例のプレゼンテーションが行われた。
今回祭壇した講演者らの間から、揃って聞かれたのは、3Dインターネットでは、これまでのインターネット上で実現してきたことはすべて可能だという見方だ。
「3Dインターネットが実際にお金になるのか? ビジネスになるのか? といった声が聞かれるが、それは90年代のインターネットのときにも同じようなことが言われていた。当時しばらくは疑問視する声が多かったが、それから10年以上経って今のような状態になった。それは3Dインターネットにも同じことが言えるだろう」(小池氏)、「既存のインターネットビジネスとまったく同じことができる」(西田)と、従来のインターネット同様、次世代ネットとしての3Dインターネットの今後の発展への期待が寄せられた。
また、3Dインターネットの意義について、西田は「インターネットが登場してきたときは、情報をどう使っていくか、情報を集めてひきつけるのがビジネスだった。それが情報を共有するビジネスになり、人と人とを結びつけながら情報を得るものに変化した。仮想世界は、コミュニケーションがどんどん拡大していくなかで情報を見つけ出していくもの」と分析。
さらに「現実世界で体験できないことがアバターをとおして体験できるところに、新たなビジネスの可能性がある」(小池氏)、「アバターを介して疑似体験ができるとは、感覚に訴えることができるメディアだ」(箱田氏)といった疑似体験が後押しするビジネス効果が述べられ、実際の事例に基づいた解説が行われた。
しかし一方で、3Dインターネットが抱える現在の問題点や課題を指摘する声も挙げられた。博報堂DYグループが手掛ける、セカンドライフ上のショッピングモール「TokyoZERO番地」について、勝野氏は「出店費を2万円からに抑えて、気軽に参入できるようにしたり、携帯電話からのアクセスを可能にするなど顧客の導入を図っているものの、まだまだいろいろなことをしないと人が集まらない。技術的な点でも出店者には敷居が高い」と実状を語る。
さらに「まだまだなにしていいかわからない、目的がみつからないというユーザーが多い」(西田)、「手続きが面倒だったり、PCスペックや、操作が難しいという問題がある」(小池氏)といった問題点が言及された。
また、こうした課題に対して、西田は「今までだれも体験したことがない新しいものだからどうしていいかわからないということがある。そこに行くためのモチベーションが今まだ提供されていない」と語り、参加することでユーザーが楽しめる仕組みを提供することの必要性を説いた。
そしてそのためには「まずはインターフェースに慣れることが必要。新しいメディアの出現はいつも戸惑いがあるものだが、新しいユーザーインターフェースによって、今まで以上のことが提供できるクリエーターが生まれ、ユーザーが参加したくなるモチベーションも上がるのではないか」と提言する。
また、小池氏からは「いろいろ言われるが、インターネットの創世記と同じこと。10年後にどうなっているかだ」と、これまでのインターネット世界以上に可能性を持つ3Dインターネットへの期待が繰り返し強調された。
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