ミクシィは11月9日、2008年3月期中間決算を発表した。前年同期比で売上高・経常利益ともに約2.3倍の成長となった。運営するソーシャルネットワーキングサービス(SNS)「mixi」のユーザー数・PVがともに伸びたこと、新たな広告メニューが加わったことなどが好調の要因だ。
成長を続けるmixi事業だが、新たな収益モデルの確立にも乗り出している。同社は現在、「デジタルコンテンツへの課金」「ECの展開」「海外でのmixiの提供」の3点を新規事業として検討していることを明らかにした。ただ、これらの施策の開始時期はすべて未定だという。今後進出する予定の国名なども公表されなかった。
SNSを巡っては世界規模で活発な動きが目立ってきた。Googleが公開したSNS共通規格「OpenSocial」には、米国MySpaceなどに混じって国内からmixiも賛同を表明している。OpenSocialとは各SNSが保有する情報へのアクセス手段を標準化することで、SNS上で動作するアプリケーションの汎用性や移植性の向上を目指したものだ。
ミクシィ代表取締役社長の笠原健治氏は、OpenSocialに賛同した理由について次のように語った。
「mixi内でアプリケーションの開発が行えるプラットフォームを提供する準備は進めていた。そこにGoogleから話があり、その理念に賛同した。日本最大級のSNSを提供する会社としてオープンな規格に対応していく」(笠原氏)
ただOpenSocialもまだ固まっていない部分があるとのことで、具体的なサービスのリリース時期については未定だという。
「ミクシィのエンジニアがGoogleと情報共有し、要望なども伝えていきたい」(笠原氏)
決算発表会ではmixiに関する最新データが公開されたが、目を引くのはモバイル版サービス「mixiモバイル」の成長だ。2007年9月末時点の月間PVは、PCが59.2億、モバイルが63.4億(同52.7億)となった。2007年6月末時点の月間PV(PC:64.8億、モバイル:52.7億)と比較すると、下降気味のPCに対してモバイルの好調が伺える。合計PVでは117.5億から122.6億に増加した。
これらのPVを売上につなげるため、第2四半期は広告メニューの拡大に取り組んだ。モバイル版に公認コミュニティやターゲティング広告を加え、さらにPCではバイラル動画広告などSNSを活用した新たなメニューを用意した。広告掲載企業は第2四半期では月間平均217社、そのうちナショナルクライアントが34社となった。業界別では各種人材サービス、化粧品、エンターテインメント系ソフトなどからの出稿が引き続き多いという。
2007年9月中間期(2007年4月1日〜20079月30日)の売上高は46億2000万円(前年同期19億4700万円)、営業利益は18億1300万円(同8億7900万円)、経常利益は18億2100万円(同8億4300万円)、純利益は9億8200万円(同4億4000万円)だった。
2008年3月期通期の業績予想は、売上高97億円、営業利益32億円、経常利益32億円、純利益17億5000万円と、前回発表から変更されなかった。
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