オンライン小売り大手Amazon.com子会社のAmazon Web Servicesが、新興企業の開発者を対象に、Amazon.comのユーティリティコンピューティングサービスを利用したアプリケーションを開発させるコンテストを開始した。小さな規模の企業なら、事業開始のための資金を同プログラムの賞金でまかなうことも可能だ。
Amazon Web Servicesは、開発者がホスティング型のコンピューティング環境およびストレージや、支払いシステムなどのサービスにアクセスできるようにし、使用量に応じた料金の決済を代行するサービスを組み合わせて提供している。
最高経営責任者(CEO)のJeff Bezos氏を始めとするAmazon.com経営陣は、将来売り上げの増加が見込める分野として、また新規顧客への接触機会を拡大する道として、同社のWebサービス事業を選び出した。
今回行われるプログラム「Amazon Web Services Start-Up Challenge」は、小規模企業の開発者に、同社のホスティング型サービスを利用した革新的なアプリケーションの開発を競わせるコンテストだ。
優勝賞金は現金の5万ドルとAmazon Web Servicesのクレジット5万ドル分で、そのほかにも、Amazon.comから出資を受ける権利が得られる。準優勝は4組で、5000ドル分のクレジットが与えられる。
コンテストの優勝者がAmazon.comから出資を受けるには条件があり、年商1000万ドル未満の米国企業でなければならない。Amazon Web Servicesの製品開発および開発者関係担当バイスプレジデントのAdam Selipsky氏によると、Amazon.comがコンテスト勝者に出資するのは、完全な買収を行うつもりではなく、むしろその会社の起業を支援するのが目的だという。
「これは、新しいアイデアに力を貸して、スポットライトを当てようとするもので、買収戦略の一環ではない」と、Selipsky氏は語った。
外部企業にAmazon.comのWebサービスを利用したアプリケーションの構築を奨励することで、同社は着手後間もない事業を拡大し、サードパーティ製ツールのエコシステムを発展させたい考えだ。サードパーティ製ツールのエコシステムを発展させていくというのは、開発者向けツールの開発企業が伝統的に採用してきた戦略だ。
たとえば、「Flash」や「Adobe Integrated Runtime」(AIR)といった開発者向けプラットフォームを開発しているAdobe Systemsは、特別にベンチャーファンドを設けて、Adobeのテクノロジを利用する小規模企業に投資している。
Amazon Web Services Start-Up Challengeへの応募は、米国時間10月28日が締め切りとなっている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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