Facebook、Second Life、Google、Salesforce.comはみな、アプリケーションから出発してウェブプラットフォームを構築した企業で、開発者に互換性のあるプログラムを開発させ、企業にはプラットフォームのエコシステムからビジネスを構築させた。企業の幹部たちは米国時間7月12日、Fortune誌の新企画「iMeme: Thinkers of Tech」カンファレンスのパネルディスカッションで、これは将来の波だと語った。このイベントはあか抜けした雰囲気を強調するためか、サンフランシスコのRitz-Carltonホテルの部屋に並んだHerman Miller製Aeronチェアの操作法解説から始まった。
顧客関係管理(CRM)を専門とするSalesforce.comの最高経営責任者(CEO)Marc Benioff氏は「インターネットは新しいOSだ。インターネット上のキラーアプリが、革新を生むコミュニティを形成するプラットフォームになりつつある。業界にとって、まったく新しい章だ」と述べた。
同氏は「コアサービスの価値を高めるのが、プラットフォームの力だ」と述べた。外部の開発者に開放することで、プラットフォームを新しい市場へと拡張してゆくことができるという。たとえば、Salesforce.comでThomson FinancialとDow Jonesが行ったアプリケーション開発のおかげで、Salesforceは「金融サービス市場の主要なプレーヤー」になったという。
Benioff氏は「われわれは(ビジネスソフトウェアプロバイダの)Siebel(Systems)に取って代わることができた。 彼らはキラーアプリケーションを提供したと、プラットフォームの提供へと踏み切らなかった。そのようなチャレンジなしで、SAPやOracleのような主要プレーヤーにはなれない」と述べた。
インターネット経由でビジネス向けのSaaS (software as a service)をホスティングする会社を率い、ドットコムビジネスの第一人者ともいえるBenioff氏。そんなBenioff氏の隣には、ほんの4年ほど前に大学の寮で人気ソーシャルネットワーキングサイト(SNS)Facebookを開設した、23歳のMark Zuckerberg氏が座っている。Facebookは外部の開発者にサイトを開放し、大学生以外にもサイトの利用を許可した結果、メンバー登録の急増につながった。
Zuckerberg氏は、オンラインの友人や知人「を介するのが、コミュニケーションを取る上でもっとも自然で効果的な方法だ。プラットフォームの開放はこの考えを推し進めるためのステップに過ぎなかった」と述べた。
同氏は「社内で使用しているのと同じツールを提供し、外部開発者が作ったアプリを社内開発したアプリと同様に扱う」と付け加えた。
成果はすぐに現れた。Facebookがプラットフォームを開放した2007年5月後半以来、何千ものアプリケーションがリリースされている。Zuckerberg氏は「たしかに、当初の期待よりもやや速い成長だった。準備期間があるものだと考えていた。全体のプロセスが約1週間に集約された」と述べた。
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