Corbisが米国時間6月25日、「マイクロストック」サイトを独自に開設した。大手のライバル2社や比較的小規模な競合企業の後を追って、画像を低価格で購入できるウェブサイトの運営に乗り出したことになる。
新サイトは「SnapVillage」と呼ばれ、写真家が自分で価格を設定する点が他社のサイトと異なっている。価格は、1ドル、5ドル、10ドル、25ドル、50ドルから選択できる。価格の設定と柔軟で手軽な検索ツールにより、画像について写真家らによる提供と広告代理店などの顧客による購入を促進したい、というのがCorbisの狙いである。
Corbisのネットワーク担当バイスプレジデントAdam Brotman氏は「わかりやすさと自由さにより、写真家がわれわれのサイトを選ぶ理由が増える」と述べた。わかりやすさを実現するための機能には、Corbis社内のレビュアーだけでなく、コメント、ダウンロード率、メンバーが作成するキーワードタグなどのコミュニティ要素を反映した、「Snappyness」と呼ばれる写真の評価などがある。
低価格での写真販売を望むデジタル写真ファンが数多く現れたこと、比較的安価なインターネットインフラが利用可能になったこと、広告、ブログ、「PowerPoint」によるプレゼンテーション、年次報告などに人目を引く写真を使用したいと考えるユーザーが増加したことなどを受けて、マイクロストックがブームとなっている。
Corbisは後発組である。JupiterimagesとGetty Imagesは、既にマイクロストックサイト(StockxpertとiStockphoto)を所有している。Fotolia(このサイトも、写真家による価格設定を実施している)やShutterstockなど、大手以外の競合企業によるサイトもある。
しかし、来週からCorbisの新最高経営責任者(CEO)に就任するGary Shenk氏は、マイクロストック市場はまだ若く、比較的知名度の高いCorbisブランドが、マイクロストック事業の展開を早める上で有効だろうという考えを示した。
シアトルに本拠を置くCorbisは、MicrosoftのチェアマンBill Gatesが100パーセント出資してオーナーになっており、まだ黒字転換はしていない。SnapVillageの開設は財務状況改善努力の一環である。
SnapVillageはベータテスト中だが、Brotman氏によると「2カ月以内」にテストを終了するという。現在、誰でも写真をアップロードすることができるが、購入は米国在住の人に限られている。2007年7月には、海外からの購入者にも対応を拡大する予定である。
Brotman氏は、設定した価格、ダウンロードファイルの解像度、人気などに関わらず、写真家は販売価格の30%を受け取ると付け加えた。これは競合他社とほぼ同じ水準である。例えばiStockphotoでは20パーセントから開始するが、人気のある写真家がiStockphotoでのみ作品を販売する場合は40パーセントまで増える。
Corbisはサイト運営のため、これまでに約1万点の写真を集めた。Brotman氏は「2007年末には数10万点になっているだろうと確信している。100万点に到達するのもそう遠くはないだろう」と述べた。
同氏はSnapVillageについて、ニュースメディアが利用する「編集向け」コンテンツを盛り込む拡張計画が将来的にあると付け加えた。そのようなコンテンツでは、認識可能な人の顔を複製する際の制限事項が緩やかになる。
同氏は「編集用のワークフローを別途開設することについて、非常に興味深い商機があると考えているが、ベータテストの中で発表するつもりはない。注目していて欲しい。現在検討中だ」と述べた。
SnapVillageは現在、JPEGイメージ、Flashアニメーション、サイズ変更が可能なベクター画像を販売している。Brotman氏によると、将来的に、オーディオや映像の提供を計画しているのだという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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