[2007年4月12日 14:16更新]ソーシャルネットワーキングサイト大手のMySpace.comは米国時間4月11日、Photobucketのビデオや写真スライドショーをMySpaceにアップロードすることを禁止した。
MySpaceはこのたび、ユーザーが自身のプロフィールやブログ、コメントの欄にPhotobucketのコンテンツを公開することを禁止する措置をとった。MySpaceは、PhotobucketがMySpaceの利用条件に違反して、ユーザーに広告入りのビデオを掲載するよう促したと主張する(Photobucketが公開間近の「スパイダーマン3」の広告を挿入するように促したことが問題視されているという)。MySpaceは、第三者のベンダーに対し、MySpaceサイトに広告を掲載することを禁じている。
MySpaceは声明で、「Photobucketと、このたびの行為について話し合ってきたが、コミュニティーの利用条件に従うことを拒絶された。そのため、Photobucketを禁止することが唯一の選択肢となり、今回の措置に至った」と述べた。
この決定は、Microsoftが「Windows」からサードパーティー製アプリケーションを排除したときのことを彷彿とさせる。 多くの企業が現在、ウェブサイトに写真や音楽、ビデオなどのコンテンツを公開するためのウィジェットを提供しており、また多くの企業が、MySpaceの抱える9000万人のユーザーを対象としたビジネスを構築している。
Photobucketは最大のオンライン写真共有サイトで、毎月1700万人以上のユーザーが利用している。同社は先ごろ、ビデオの分野にも進出を果たしている。MySpaceがPhotobucketのユーザーを疎外するリスクをいとわないとなれば、業界の多くは次が誰かという疑問を抱くことになる。
The New York Timesは先月の報道で、Rupert Murdoch氏率いるNews Corp.に2005年7月に買収されたMySpaceが、ユーザーとのビジネスを希望する企業に課す制限を徐々に増やしてきたと指摘している。また、3月のCNET News.comの記事では、PhotobucketがMySpceに依存したビジネスを展開しているため、今回のような禁止措置がとられれば、大きな痛手になるとの意見を業界の観測筋が示していた。
一方のPhotobucketは自社サイトで声明を発表し、怒りを表わにしている。同社は判断を覆すようMySpaceに求めるようユーザーに呼びかけている。
「MySpaceは、個人と社会のためのメディアという信念そのものを否定している。自由を厳しく制限するこのたびに措置によって、MySpaceがユーザーを消耗品と見なしていることが明らかになった。具体的な行動を取ってMySpaceに、自分の思いを伝えて欲しい」とPhotobucketは述べている。
PhotobucketはMySpaceの言い分に対しても異論を唱えている。Photobucketの最高経営責任者(CEO)Alex Welch氏によると、MySpaceがPhotobucketにスライドショーやビデオを禁じることを警告したことは一度もなかったという。
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