「デジタルコンテンツは脅威ではない」--グーグルが出版社と対話

文:Caroline McCarthy(CNET News.com) 翻訳校正:編集部 2007年01月19日 17時02分

 ニューヨーク発--Googleは、デジタルコンテンツは出版業界に対する脅威となると考える人に対し、次の2つのことを伝えたいとしている。まず、その考えは間違っているということ。次に、書籍内容を検索できる自社サービス「Google Book Search」は問題ではなく解決策であるということだ。

 Googleは米国時間1月18日、ニューヨーク公共図書館にてイベント「Un-Bound」を開催した。そこでスピーカーらは、21世紀の新しいメディア文化の中で出版も進化すべきだとの見解を示した。このイベントに集まった300人以上の参加者の多くは出版業界関係者で、人気ブログ「Boing Boing」の共同編集者でSF作家のCory Doctorow氏をはじめ、Harper CollinsやCambridge University Pressなどの大手出版社の代表者らがスピーカーとして登場した。

 開会のプレゼンテーションを行ったGoogleコンテンツパートナーシップ担当ディレクターのJim Gerber氏は、「目標は、思考を刺激すること。ここで出される課題や機会がわれわれにどのような影響を与えるのかについて、あなたがたの考え、われわれの考えを刺激することだ」と述べた。Gerber氏はまた、観衆に対し、このイベントで出される意見は必ずしもGoogleの意見ではないと釘を刺しながらも、最終的には、スピーカーやパネルで出てくる見解の大多数は多少なりともGoogleに呼応するものだと述べた。これには、出版業界のメンバーが発した意見も含まれる。

 このイベントは主として、論議を呼んでいるGoogleの「Library Project」およびBook Searchツールに応じることを目的としたものだ。当初、このプロジェクトとツールが明らかになると、出版業界は激しく反対した。イベントでは、技術に敏感な作家、出版社、アナリストが、デジタル化が進む世界で出版業界が成長し収益を得るためには、出版業界は範囲を広げていくことが必要だという点で同意した。

 技術系出版社のO'Reilly Mediaで最高経営責任者(CEO)を務めるTim O'Reilly氏は、「われわれはいま極めて大きな変化のさなかにいる。そしてその変化に応じていかなければならない」と述べる。「出版社としてわれわれは、Googleがいま熱心に取り組んでいる新しいデジタルエコシステムの一部分にならなければならない」(O'Reilly氏)

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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