米国時間8月22日、Googleのある幹部は、ブロードバンドプロバイダーにネットの中立性に関する規制を課す広範な法律を米議会が制定しない限り、新たに会社を興そうとしている企業家らは会社設立を断念せざるを得なくなる可能性があると指摘した。
Googleの法律顧問を務めるDavid Drummond氏は、Progress and Freedom Foundation(PFF)主催の90分間の討論会の中で、「私はこの問題に関して、Googleについてはさほど心配していない」としたうえで、「私が心配しているのは、ネットワークの端にいる小規模の革新的企業についてだ」と語った。
Googleの創業者であるLarry Page氏とSergey Brin氏が、後に世界で最も人気の高い検索エンジンを擁する会社を設立しようとしていた1990年代半ばには、「(彼らは)ユーザーが確実にGoogleの検索エンジンを利用できるようにするために、ネットワークについて誰かと交渉しなければならないとは全く考えていなかった」とDrummond氏は語った。
Drummond氏は創業間もない企業について、「ガレージ以前の段階だ」と述べ、さらに「これらの企業の創業者らは、学生寮の部屋を使っている・・・そのような状態で、世界中を飛び回り、各国の通信企業と契約を結べというのか」と主張した。
Googleはこれまで、ネットの中立性に関する議論の最前線に立ち、連邦通信委員会(FCC)にブロードバンドプロバイダーを規制する権限を認める法律を制定するようワシントンの政治家らに圧力をかけてきた。それらの提案は、民主党議員らの支持は得られたが、共和党議員や、AT&TやVerizonなどの大手電話会社は概ね反対した(米上院は、2006年内にこの問題について採決を行う予定だ)。
ネットの中立性の概念には様々な定義が存在するが、いずれの定義もブロードバンドプロバイダーは特定のウェブサイトやサービスを妨害してはならないという点では一致している。Amazon.com、Google、eBay、Yahooなどのインターネット企業は、その定義をさらに拡大し、例えば、あるウェブサイトが提供するビデオをほかのサイトのビデオよりも高速で配信する契約をブロードバンドプロバイダーが締結することを禁止したいと考えている。また、FCCか連邦取引委員会(FTC)に違反行為を監視させるべきか否かについても議論されている。
22日の議論の中で、Cellular Telecommunications and Internet Association(CTIA)のバイスプレジデント、Carolyn Brandon氏は、Googleのロビー活動は、同社の「(自社製品に関する)根本的な不安」に加え、恐らく、通信企業が「より優れた検索エンジン」を開発するのではないかという不安を反映しているのだろう と語った。
「(Googleは)なぜ自社の製品を信頼しないのか」とBrandon氏は尋ねた。
これに対し、GoogleのDrummond氏は、「ネットの中立性に関するわれわれの立場と、われわれの検索エンジンやネットワークオペレーターに関する競争上の懸念との間に論理的な関連性はないと考えている」と答えた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したも のです。海外CNET Networksの記事へ
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