歴史ある学術専門団体の米国化学会(ACS)とGoogleとの間で争われていた商標権侵害訴訟が、ひっそりと決着を迎えていた。
1876年に創設され世界最大の化学ソサエティと自負するACSは、2004年にGoogleを提訴し、Googleが開始した無料の学術論文検索サービス「Google Scholar」が、ACSの提供する検索サービス「SciFinder Scholar」の商標権を侵害していると主張していた。ACSのサービスは有料で、より包括的だと見られている。
「SciFinder Scholarはよく知られており、学術コミュニティで高く評価されてきたものだ。われわれには、このツールの名称と、これまで築き上げてきた信用を守っていく必要がある」と、当時ACSは述べた。
しかし7月に入りこの訴訟は、GoogleとACS双方が各自の弁護士費用を支払うとした2ページの共同文書を作成し、法廷外で静かに決着した。
ACSはCNET News.comの取材に応えて、「ACSはGoogleに対する訴訟の結果に満足している。和解内容には機密条項も含まれており、ACSとしてはこれ以上のコメントをするつもりはない」と語った(この時点でGoogleからのコメントは得られなかった)。
米国時間7月19日現在、Google Scholar(ベータ版)は開設されたままで、訴訟の結果何らかの修正がなされた様子はない。Googleは同サービスで「ピアレビューを受けた研究論文、学位論文、書籍、研究概要、記事など」を専門学会や学術組織などから探すことができるとうたっている。
この訴訟は商標権侵害と不正な競合で争われていた。
Microsoftも4月、Google Scholarに対抗するサービス「Windows Live 学術論文検索」を開始した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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