GoogleがAmerican Chemical Society(ACS)に商標権侵害で提訴された。ACSは、Googleが提供開始した検索ツールの「Google Scholar」が同組織の商標権を侵害していると主張する。
ACSは、コロンビア特別区の米連邦地裁に米国時間9日に提出した申立書のなかで、Googleによる「scholar」という言葉の使用が、ACSがウェブベースの学術検索ツール「SciFinder Scholar」のために2003年5月に取得した商標権を侵害していると主張している。この訴訟で、ワシントンDCを拠点とする非営利団体のACSは、ユーザーの無用な混乱を避けるため、ツールの名称に「scholar」という言葉を使用しないようGoogleに要求している。
SciFinder ScholarとGoogle Scholarは両方とも、これまで発表された学術論文を個人が検索できるように開発されたものだ。SciFinder ScholarはACSのデータベースに検索をかけるのに対し、Google Scholarは既にインターネットで公開されている学術論文を検索対象とする。
他に大きく違う点として、ACSのSciFinder Scholarは有料である点が挙げられる。1998年に発表された同ツールは、世界中の大学1000校にライセンス提供されている。11月17日に公開されたGoogle Scholarのベータ版は、無料で利用できる。
Googleの広報担当Steve Langdonによると、Googleでは「scholar」という言葉の使用は問題にならないと認識しているという。
ACSの弁護士Flint Lewisによれば、ACSはGoogleが提供するツールのコンセプトについては問題視しておらず、名称だけを変えてもらいたいと考えているという。同氏は問題を解決するため1日にGoogle側の弁護士と面会したが、名称の使用中止をGoogle側に拒否されたという。
「われわれは、Google Scholarツールの内容を問題視しているわけではない。単に『scholar』という名称を使わないでくれと言っているだけだ。別の名前で呼んでくれたら、訴訟を起こす必要などない。SciFinder Scholarはよく知られており、学術コミュニティで高く評価されてきたものだ。われわれには、このツールの名称と、これまで築き上げてきた信用を守っていく必要がある」と、Lewisは述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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