マサチューセッツ工科大学(MIT)の専門家とElsevierのおかげで、もうすぐ発展途上国の科学者たちも、インターネットを通して他の科学者たちの研究成果に快適にアクセスできるようになるかもしれない。
MITが米国時間13日に発表したところによると、同大の計算機科学人工知能研究所(Computer Science and Artificial Intelligence Laboratory)は、狭帯域のインターネット接続環境に身を置く科学者たちが快適に情報にアクセスできるようにするため、Elsevierとの間で立ち上げた共同プロジェクトに、技術面で貢献していく意向だという。
MITが提供する「Time Equals Knowledge(TEK)」技術は、旧式の技術を使っていたり、あるいは研究資金が乏しかったりする研究者が、ボストンにあるMITのサーバやサーチエンジンに照会を行えるようにするものだ。TEKは必要な資料を収集し、それらを圧縮して、1週間後に電子メールで返信する仕組みになっており、これを利用することで、途上国の科学者たちはインターネット接続にかかるコストを削減できる。
MITとElsevierによると、TEK技術をElsevierの科学検索エンジン「Scirus」と組み合わせれば、研究者からのクエリに対する検索結果を、科学関連のコンテンツに絞り込むことが可能になるという。
新サービス「Search Scirus with TEK」について、ScirusのシニアプロダクトマネージャSharon Mombruは「技術先進国と発展途上国との間の情報格差を解消し、世界中の科学コミュニティに貢献できる」と述べた。
ウェブ上では現在、科学に関連する情報を集めて公開し、本来であれば、高いお金を払わなければ入手できないこれらの情報を入手しやすくする動きが活発になってきている。例えば、Googleは「Google Scholar」という専用の検索サイトを立ち上げ、 学術的な資料の検索サービスを提供している。ただし、Google Scholarは狭帯域のインターネット接続環境を利用する研究者が直面する問題に対応する目的のものではない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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