Brightcoveは今週、無償のインターネットビデオ配信サービスを発表した。この発表により、競合企業であるGoogleやYahooを交えたインターネットTVにおける主導権争いは激しさを増すと思われる。
マサチューセッツ州ケンブリッジに本社を置く新興企業Brightcoveは、コンテンツ所有者向けにインターネットで映像を配信する技術およびサービスを開発し、利益を得ている。過去数カ月間、同社サービスは、The New York Times紙やDiscovery Communicationsなどのメディア企業限定で提供されてきた。
Brightcoveは米国時間4月26日の夜、同社ツールで映像チャンネルを設定しているコンテンツ所有者を招いて「パブリックプレビュー」を行なった。Brightcoveの最高経営責任者(CEO)でMacromediaの元最高技術責任者(CTO)のJeremy Allaire氏は、パートナーとなる可能性があるのは、糖尿病や料理情報番組などを扱うTVチャンネルだろうと述べた。
知名度の低いチャンネルとしては、健康生活情報のサイトを運営しているLife Balance MediaやNational Lampoon's Toga!などが既にBrightcoveを使用している。
Allaire氏は、Brightcoveを「TVの民主化」と呼んでおり、インターネットを介した映像配信コストの低下とブロードバンドの浸透のお陰だとしている。オンラインビデオに対する一般ユーザーの関心がここ数年で急速に高まっているのを受けて、Google、Veoh Networks、YouTube、iFilmなどの企業は、すぐれた映像提供の仕組み作りや広告主の取り込みを競って進めている。
TVからウェブへの移行が急激だったため、多くの企業のビジネスモデルはまだ完成していない。
Brightcoveも、一般公開したにも関わらず、コンテンツ所有者が利用できる経済的仕組みを決定していない。考えられる方法の1つとしては、映像製作者が本編開始前のCMあるいはリッチメディアのバナー広告の形態で広告枠を販売するというものだ。また、映像チャンネルのネットワーク全体で表示される広告枠をBrightcoveが販売することも考えられている。このビジネスモデルでは、コンテンツ所有者が売り上げの一部を得ることができる。またBrightcoveツールを使用して、コンテンツ会社は視聴者に映像を販売し、売り上げを得ることができる。
Googleでも、映像製作者はペイパービュー方式で作品を販売できる。
Brightcoveは無料アクセスを映像配信のみに限定しており、現在のところは一部の映像広告サービスは有料だ。
「システムにコンテンツを公開する際の料金面での詳細は今年の夏を過ぎた頃、明らかになるだろう」(Allaire氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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