Yahooが、サンフランシスコのワイヤレスコンテンツ企業MFORMAと、MFORMAに籍を置く複数の元Yahoo社員が企業秘密を盗んだとして、同社を提訴した。
米国時間2月27日にサンタクララの州立裁判所に提出された訴状によると、7名の元Yahoo社員がYahooを退社する際に、ビジネスおよび技術に関する大量の機密データを複製し、新たな雇用主であるMFORMAに持ち込んで使用したという。
Yahooは、MFORMAがこのビジネス情報および技術情報を利用できないようにする、一時的な差し止め命令の発動を求めている。今回の賠償請求以前に、これらの情報がどのように利用されてきたのかについて、Yahooは詳しく状況を把握したいと考えていると、同社の弁護士は述べている。
Yahooの副法律顧問であるReggie Davisは、「当社は、一部の社員がわれわれの信頼と尊敬を裏切ったことを示す証拠を握っている。法廷闘争に持ち込むほかに道はなかった」と話した。
一方、MFORMAの最高経営責任者(CEO)であるJonathan Sacksは、Yahooは「偽善行為の金メダリストにふさわしい」とする声明を発表した。同氏は、先頃Yahoo自身が、Nuance Communicationsの複数の社員を雇用したあとに、同社から企業秘密をめぐって訴訟を起こされていることを指摘している。
「(Yahooは)モバイル業界で数年間におよぶ経験を持つ、熟練したソフトウェアエンジニアを失いつつあることに焦燥を覚えるあまり、彼らと完全に対立する法的立場を取ることにしたようだ。以前Yahooにいた、先進的な知識を持つモバイルコンテンツエンジニアらは、MFORMAに未来があると考えて転職してきた」(Sacks)
元社員らの間で交わされた、問題の件に関するインスタントメッセンジャーでの会話のアーカイブが大きな証拠となっている今回の訴訟は、激しい競争が繰り広げられているワイヤレスコンテンツ業界の現状を浮き彫りにした。同業界では、電話キャリアとの連携を求めて、新興企業がYahooのような大手企業と争い合っている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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