米国時間21日、カリフォルニアを拠点とする少人数の開発チームが、Firefoxをベースにした最先端をゆくウェブブラウザを投入した。「Flock」と呼ばれるこのブラウザには、RSSフィード、ブログ、ソーシャルブックマーク、写真共有といった次世代ウェブ技術が統合されている。
この開発チームを率いるBart Decremは、Mozilla Foundationへの関与と、失敗に終わった新興企業Eazelの立ち上げにより、オープンソースコミュニティで名の知れた人物だ。Eazelは、1999年の設立から2001年の解散まで、Linuxのデスクトップに優れたユーザビリティをもたらすことを狙っていた。
Flockプロジェクトの共同設立者であるGeoffrey Aroneは、同ブラウザのリリース直前に、「ついに公開の時が来た。数時間以内に、Flockブラウザをだれでも無制限にダウンロードできる態勢が整う」と自らのブログに記していた。
「これは開発者向けの先行公開版であり、まだ多数のバグが残っていることをご了解いただきたい。バグの大半については、われわれも認識している」(Arone)
Decremは先週、この新しいソフトウェアを試してもらう目的で、同プロジェクトのウェブサイトでメールアドレスを登録していた人に向けて電子メールによる招待状を送信した。同ソフトウェアの開発中には、今回を含めて案内状が3回送られている。
Flockには、現在オンラインコミュニティで急速に人気の高まりつつある新たなウェブ技術--その動きの一部は「Web 2.0」として知られるようになったものだ--をベースにした新しい数々の機能が盛り込まれている。
たとえば、従来のウェブブラウザにあったブックマークメニューの代わりに、Flockには「del.icio.us」と連動する機能が組み込まれている。del.icio.usのオンラインサービスを使えば、ブックマークを保存したり、それを他のユーザーと共有したりすることが可能になる。
Flockの開発チームは、インターネットのコミュニティで、ブログとブログのアップデートを素早く把握できるようにするRSS(Really Simple Syndication)の人気が急速に高まっていることに注目した。
Flockには、ユーザーが好みのブログをすべて一カ所で読めるようにするRSSリーダーも組み込まれている。すでにさまざまなウェブサイトやソフトウェアがこの機能を提供しているが、ウェブブラウザにこの機能が統合された例はまだ数少ない。
また、同ブラウザのナビゲーションバーには「Create a blog post(ブログの投稿)」ボタンが付けられ、ユーザーが簡単にブログを書き込めるようになっている。このボタンをクリックすると、「Flickr」をドラッグ&ドロップで操作できる洗練されたブログ作成ツールが立ち上がる。Flickrは、先ごろYahooに買収された人気の高い写真管理/共有サービスだ。
Decremのブログによると、Flockには「Wordpress」「Six Apart」「Blogger」など人気の高いブログサービスとも統合されているという。
これらの機能はすべて、ウェブ上で活動するアーリーアダプターの間でこうしたサービスの人気が高まっていることを反映しており、同ブラウザが協調的なウェブブラウジング機能の提供を狙っていることを表している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス