Apple ComputerがMicrosoftの音楽センスにいちゃもんをつけている。
iPodミュージックプレイヤーとiTunesミュージックサービスで新しい流行を生み出してきたAppleは米国時間2日、ライバルMicrosoftが始めたMSN Musicダウンロードサービスについて、機能や楽曲数がiTunesより少ないと批判的な発言をした。
「最も大きな問題は、(MSN Musicから)ダウンロードした楽曲をiPodで再生できないことだ」とAppleのアプリケーション担当バイスプレジデントEddie Cueは述べる。
1年以上も前にダウンロード音楽市場に参入したAppleは、これまでに1億2500万以上の楽曲を販売してきた。また同社のiPodはプレイヤー市場を独占している。
しかしMicrosoftにも、圧倒的な規模以外に有利な点がいくつかある。
音楽に特化したデバイスやサービスを提供するAppleとは対照的に、Microsoftはビデオにも目を付けている。同社が販売を促進するPortable Media Centersという新しいタイプのデバイスを使うと、音楽だけでなくテレビ番組やビデオも再生できる。Microsoftの技術を使ったこのような製品は、SamsungやCreative Technologyなどの家電製品メーカーから販売されている。
また、Appleが楽曲を「販売」するアプローチをとっているのに対し、Microsoftはサブスクリプションサービスを通して楽曲を「レンタル」するための技術を開発してきた。しかし同社は、1日にオープンしたMSN Musicストアでは、Appleと同様に1曲99セントで音楽ファイルを販売している。
Appleの経営陣は、今後も音楽のサブスクリプションサービスやポータブルビデオに力を入れない意向だ。同社のハードウェアマーケティング担当バイスプレジデントGreg Joswiakは、「顧客はこれまでも、ビデオ市場に関心を示して来なかった」と語った。
Joswiakは、過去のデバイスを引き合いに出し、ソニーはWalkmanを2億台も販売することに成功したが、ポータブルテレビの「Watchman」はあまり売れなかったと述べた。
AppleとMicrosoftは舌戦を繰り広げている。Microsoft会長のBill Gatesは、BusinessWeek誌のインタビューのなかで、ポータブルビデオは重要でないとするAppleの最高経営責任者(CEO)Steve Jobsの意見をはねつけている。
「2時間も車の後部座席に座らされる子どもに『車の中でビデオを見たいか』と聞いてみればよい。自分の子どもなら見たがるだろう。Steveの子どもはバッハやモーツアルトしか聴かないのかもしれないが、うちの子どもは『ファインディングニモ』を観たがる。だれが作ったのか知らないが、あれは素晴らしい映画だ」(Gates)
Gatesはこのインタビューの中で、Micorosoftではさまざまな種類の音楽サービスとデジタルプレイヤーを提供していくことを強調した。ただし、市場にはAppleとMicrosoftの両方の技術をベースにした製品が共存する余地があることにも同氏は言及している。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」