阿多親市氏のマイクロソフト卒業を祝う会を開催、ソフトバンクBB入り発表

 7月28日、東京・京王プラザホテルで、「阿多親市さんのマイクロソフト卒業を祝う会」が開催された。その場で、本人の口から「8月25日からソフトバンクBBのお世話になります」とソフトバンクBB入社が発表された。

 卒業を祝う会は、もともとパソコン業界の有志によって企画されたもので、業界関係者160人が集まった。

 開催の挨拶と同時に、阿多氏は結婚式の新郎よろしく会場後方から登場。発起人の一人である大塚商会・大塚裕司社長が会の趣旨説明で挨拶に立ち、「まるで新郎のような姿での登場でした」とコメントすると会場は笑いに包まれた。

 続けて、アルゴ21の佐藤雄二郎会長が挨拶に立ち、「今日、会場にもいらっしゃる古川さん、成毛さんが社長を退任する時には、これほどにぎにぎしい会は開催されなかった。20数年前、私があるメーカーを退任する時も脱藩などと揶揄された」と話すと、会場は笑いと共に拍手があがった。

 ここで本来は乾杯となる予定であったが、阿多氏本人の希望ということで、ソフトバンクBB入社が発表になった。

 「7月以降、今日いらっしゃっている方を始め、色々な方からお食事などにお誘い頂く毎日だった。今日もこの後で皆さんとお話すると、『次はどうするんだ』ということになるだろうが、8月25日からソフトバンクBBのお世話になることになった。マイクロソフトの社長に就任したのとほぼ同時に、当時の森首相がITによって日本を振興する、e-Japan構想が出たが、自分でも今後の仕事にはそういう志、国、業界の役に立つ仕事がしたい、大義ある仕事がしたいと考えていた。ソフトバンク・孫さんの話を聞いて共鳴し、非力ではあるが、孫社長の会社で頑張らせて頂きたいと考えるようになった」

 この言葉を受け、壇上にソフトバンク・孫正義社長が登場し、「阿多さんが会社を辞めると聞いて、宮内(ソフトバンクBB・副社長)と話して、是非、阿多さんに当社に来てもらうようお願いしようということになった。ソフトバンクは史上最大の赤字を出して、ブロードバンドインフラ構築に取り組んでいる。これ以上の事業拡大には、強烈なターボエンジンが必要。是非、阿多さんの力を借りて、事業を強化したい」とコメント。

 続けて、「今日は卒業を祝う会ではなく、入学を祝う会になってしまった」という言葉に、阿多氏も苦笑した。

 ソフトバンクBBの常務に着任後の仕事について、詳細は説明されなかったものの、会場にいた宮内副社長によれば、「流通事業ではなく、企業計画の立案など新規事業を担当してもらう」ということで、8月25日以降に詳細が明らかになっていく模様だ。

 卒業を祝う会では、乾杯の挨拶をインスパイア・成毛眞社長が行い、「アルゴ21の佐藤会長の指摘通り、私がマイクロソフト退任の時にはこうした賑々しいお祝いの会もなかったし、ついでに言えば孫さんからの誘いもなかった」と爆弾発言。続けて、「私の社長時代にずいぶん教育したつもりだが、社長になってからの3年間で相当学ぶことは多かったようで、挨拶もずいぶんうまくなった」とかつての部下に労いの言葉をかけた。

 途中、参議院議員の鈴木寛氏、NECの高山由顧問などが挨拶し、ソフトバンク・テクノロジーの石川憲和社長、メディア・ソリューションの磯部元志社長から、記念品としてバカラのペアワイングラスが贈られた。

 ソフトバンク・テクノロジーの石川社長も、「お疲れさまでしたというべきか、これから一緒に頑張りましょうというべきか」とコメントしたように、当初の趣旨の卒業を祝う会から、阿多氏の新たな門出を祝う会というニュアンスが強い会となった。

 会の最後には、日経BPの太田民夫常務が締めの言葉で、「新しいところでも、是非頑張ってください」と卒業ではなく、前途を祝う会となった。

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