全米映画協会(MPAA)は米国時間2月23日、映画作品の著作権侵害に関与したとして、複数の人気サイトを新たに訴えた。訴えられた中には、実際にはファイルを配布していないものの、検索エンジンとして機能しているサイトも含まれている。
今回は、ファイルそのものや交換技術を提供していないサイトまでもが、ダウンロード行為を支援しているとして訴えられた。これは、著作権保有者のファイル交換に対する法的戦術が変化し、その取り組み範囲が拡大したことを意味する。
MPAAの広報担当によると、MPAAは今回初めて、会員をUsenetニュースグループに誘導する複数のサイトを訴えたという。MPAAはPtoPネットワークと違法ファイルにユーザーを誘導する検索エンジンとをほとんど同等に扱い、どちらも違法ファイルの配布を容易にしていると主張している。
MPAAの著作権侵害対策担当ディレクターJohn Malcomは「違法ファイルを配布するこれらの強力なネットワークを使用できないようにすることは、インターネット上での著作権侵害を防止するうえで重要なステップだ」と声明で述べた。
実際のファイル交換ネットワークではなく、検索エンジンを訴訟の標的にすることは、これまで敬遠されてきた。なぜならばGoogleやYahooのような一般的な検索エンジンを利用しても、違法ファイルを見つけることができるからだ。
またデジタルミレニアム著作権法(DMCA)には、コンテンツの違法性を知らなかった、あるいは著作権保有者がDMCA違反だと主張するサイトやコンテンツなどを「即座に」削除する、リンク先から金銭的利益を受けていないなどの条件に当てはまる場合、検索エンジンは著作権違反の法的責任を免れるとする規定が存在する。
提訴された複数のサイトは、Googleのような検索エンジンとは異なり、著作権が保護されているはずの映画作品やソフトウェア、楽曲のみを対象に扱っている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」