東京都内で12月8日に開催された「FBSカンファレンス」の「バトルトーク-I:フィードアドバタイジング」というセッションでは、フィード広告の現状と未来についてRSS広告社代表取締役の田中弦氏、GMOアフィリエイト代表取締役の井上祥士郎氏、トランスコスモスPheedo部マネージャーの長谷川武恒氏の3氏が議論した。
まずは各人が自社の事業の紹介を行った。RSS広告社は、その名の通り内容にマッチした広告をRSSに盛り込むサービスを提供するRSS広告専門サービスプロバイダーだ。6月に法人向けサービスを開始した後、10月には個人向けサービスも開始した(関連記事)。現在、抱えるクライアントはアメリカンホーム保険会社(アメリカンホーム・ダイレクト)やリクルートのフロム・エーなど50社ほどにのぼる。
同社は、RSSリーダーに表示されるRSS広告だけでなく、他のブログ/ウェブページに広告を挿入するゾーン型広告、ガイアックス提供のブログパーツサービス「comitia(コミティア)」のパーツ内に表示される広告なども展開している。
12月には、より柔軟性の高い広告を実現する「RAWS(RSS Ad Web Service)」というサービスを発表した(関連記事)。これは指定した文章やウェブページのURL、RSSに対して、内容に合った広告をXML形式で提供するサービスだ。ウェブサイトの運営者はこのXMLを好きなフォント、好きなサイズ、好きな色に加工して使うことができる。これまでのサービスの広告はイメージファイルなどの形式になっており、表示領域や占有スペース、フォントなどの変更ができなかった。
GMOアフィリエイトは、RSSのトラフィック分析とそれに基づいたウェブサイトへの集客支援の2つが事業の柱になっている。今日、ウェブページを利用する方法には、URLを入力して情報を引き出すプル型と、RSSリーダーに送られてきた最新情報を眺めるプッシュ型の2種類があるが、これまでの分析ツールは前者の利用形態を調べるものしかなかったと井上氏は指摘する。
ウェブページの本当のメディア価値を知るには、RSSの利用状況も解析する必要がある。そこで同社は近々、米国で人気の高いRSSフィード統合管理サービス、FeedBurnerの日本語版サービスを提供する考えで、年内の開始を目標としている(関連記事)。ユーザーはこれを使ってRSSの配信を行えるだけでなく、利用状況についての詳細な解析ができるようになる。
なお、GMOアフィリエイトでは、この他に「GMO FeedMe!」と呼ばれるコンテンツマッチ型広告のサービスも展開する。
トランスコスモスも、広告配信と効果測定の2つのサービスを用意している。サービスは米Pheedoとの合弁事業によるものだ。
広告配信の形態は、他社同様のアイテムのdescriptionタグ内に広告を打つ方法と、ブログ/ウェブページに広告を挿入するゾーン型広告の2つに加え、広告を1つの独立したアイテムという形で提供するニューアイテム型広告という形態も用意している。効果測定ではユニークユーザー数の他、リーダーの種別の測定、売り上げ(設定単価×課金単位)、反応などを測定する。
長谷川氏は、従来のコンテンツマッチ型広告はアイテムに対してのみのアプローチと指摘した上で、同社のサービスは、どのニュース媒体、どのメディアに広告を打つかというブランドアプローチを行うと語った。まずは媒体価値などで重み付けをし、その上でいずれはコンテンツマッチも用いるようにするという2段構成のアプローチを狙っている。
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