RSS広告社は12月2日、すべてのウェブサイトやウェブアプリケーションにコンテンツマッチ広告を配信できるサービス「RAWS(RSS Ad Web Service)」を開発すると発表した。ベータ版のサービス開始は、2006年1月を予定している。
また、法人向け提供第一弾として、ガイアックスが提供しているチャットや掲示板、カウンターなどのアクセサリーがあるブログパーツサービス「comitia(コミティア)」のブログパーツ内の広告表示機能として採用される予定だ。
通常、ウェブサイトに広告を配信するサービスは、サイトの中に定型のバナーかスクリプトを貼り付けて、決まったレイアウトの広告を表示させるものしかなかった。今回開発するRAWSは、こうした定型ではなく、インターネット関連事業者が自由な形式で広告を配信できるように設計する。
具体的な仕組みは、コンテンツマッチさせたい文章やサイトのURL、またはRSSをRSS広告社のコンテンツマッチサーバに送ると、そのコンテンツに関連性の高いRSS広告社の広告主の広告を自動的に抽出し、広告の原稿とリンク先のURLがXML形式で配信される。
このため事業者は、XMLを編集すれば広告の文字色や大きさを自由にカスタマイズできる。さらに、ウェブサイトに限らずインターネットに接続される環境で利用されるウェブメールや地図などのアプリケーションにも、広告を表示することが可能になる。1月のベータ版スタート時には、開発者向けのプログラムも開始する予定だ。
当初RAWSは、法人向けに先行して提供する予定だが、将来的には個人向けにも提供する方針だ。
RSS広告社の代表取締役社長である田中 弦氏は「Webサービスを使ったコンテンツマッチ広告配信サービスは世界初だと思う。これまでのコンテンツマッチ広告は、ウェブコンテンツにしか利用できなかったが、ブラウザやメールなどのアプリケーションにも広告を配信できることが画期的だ」と語った。また、メリットについては「アフィリエイトによる成果報酬ではなく、広告のクリック数に対して報酬を支払うため、自社のトラフィックをすぐに収益化できる」とした。
利用例としては、導入が予定されているガイアックスのcomitiaのように、ブログパーツ事業者がユーザーのウェブページのURLをRSS広告社のサーバに送信すれば、自社のブログパーツにコンテンツマッチ広告を挿入できる。また、地図アプリケーションに表示されるグルメ情報などのコンテンツをサーバに送信すれば、広告を地図上にプロット可能だ。
このほか、ドラマや映画などで俳優のセリフに合わせて広告を表示するなど、動画配信サービスでの利用も考えられる。あらかじめセリフと関連するキーワードをタグ情報としてコンテンツに埋め込んでおき、キーワードをサーバに送信しておけば、セリフに合わせて広告が自動的に表示されるといった具合だ。田中氏は「このようにアイデア次第でさまざまに開発できる。本格的な『テレビコマース』を展開することも可能になるだろう」とした。
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