9月27日に米FeedBurnerとの業務提携を発表したGMOアフィリエイト。これによりGMOアフィリエイトは、国内におけるFeedBurnerの独占販売権を取得し、2005年年内にもFeedBurner.jpをオープンするとしている。この提携のねらいはどこにあるのだろうか。
GMOアフィリエイトは、4月21日にGMOインターネット(当時の社名はグローバルメディアオンライン)とバリューコマースの合弁会社として設立された。バリューコマースのアフィリエイトネットワークと、GMOインターネットの法人および個人ユーザーのコミュニティを結びつけ、広告とメディアを効果的にマッチングさせることを目的とした企業だ(関連記事)。
一方のFeedBurnerは、フィードの配信管理システムを核にして、主に(1)フィード広告配信、(2)フィード分析サービス、(3)フィード変換サービスの3つを手がけている。(1)のフィード広告については後述するが、GMOアフィリエイトがもっとも注力する分野だ。
(2)のフィード分析サービスは、ウェブサーバのアクセス解析と同様に、フィードの詳細なトラフィック分析を提供する。また、(3)のフィード変換サービスは無料で、RSS1.0や2.0、Atom、ポッドキャスティング形式など、さまざまなフィードの規格や形式を相互変換したり、1つのフィードに集約させたりできる。GMOアフィリエイトは、まず2005年年内にこの2つのサービスから開始する予定だ。フィード広告について本格的に取り組むのは年明けになる見込み。
FeedBurnerの共同設立者Olechowski氏。RSS規格のミドルウェアとなるべく、同社を設立した |
FeedBurnerの共同設立者でCOOのSteve Olechowski氏は、「FeedBurnerを立ち上げた2年前には、フィードを受け取るためのサービスは多く存在していたものの、フィードを配信する側のサービスが存在しなかった。RSSの規格は数多く存在し、それぞれの規格に自動的に対応できるミドルウェア的なサービスが必要だった」と、同社設立の経緯について語った。
GMOアフィリエイトの代表取締役社長 井上祥士郎氏は、FeedBurnerとの提携において、特にRSS広告配信サービスに注目している。FeedBurnerの広告配信サービスは、アフィリエイトと同じくブログなどのユーザーが自分自身でサイトに掲載する広告を選択できるサービスだ。テキスト広告や画像バナーなど種類を選択でき、フィードの広告を通じて商品が売れた場合などに一定の報酬を受けることができる。
井上氏は、「これまでの広告は、固定枠に対して自動的に広告が掲載されるのみだった。しかし、ブロガーなどコンテンツを作る側のユーザーからの声として、自分で広告の管理画面を持ち、広告の配信を管理したいというものがあった。ユーザー主体の広告配信システムがあれば、ユーザーも広告の掲載に対して積極的になる。ユーザーに対しても利益を還元でき、かつ広告メディアとしても育ってくれる可能性が大きいと感じた」と、今回の提携の背景について説明した。
GMOアフィリエイトの井上社長。RSSと広告ビジネスの融合をねらう |
井上氏は、「RSSをはじめとするフィードという技術に広告ビジネスをもっと組み入れたい」としている。FeedBurnerの技術では、ユーザーが自分のサイトから生成するフィードに広告を入れて配信する機能などを備えている。これを井上氏は“ユーザー主導型の広告”と見ており、これが日本のフィード市場の拡大にもつながるとしている。
GMOアフィリエイトでは、同じくフィードの技術を用いたコンテンツ連動型の広告配信サービス「Feed Me!」を提供している(関連記事)。これは、自動的にブログのコンテンツを読み取って解析し、その内容と関連性の高い広告を表示させるもので、ユーザーが広告内容を選択することはできない。現在は法人向けのみで、個人向けには提供していない。
FeedBurnerの広告配信サービスを開始した後も、GMOアフィリエイトはFeed Me!を引き続き提供するが、将来的には2つのサービスをFeedBurnerのシステムに統合する予定だ。こうすることで、フィードを用いた選択式の広告と、コンテンツ連動型広告の両方を手がけていく。
フィードを利用した広告配信は、日本でもRSS広告社などがすでに手がけている。こうした企業との違いについて井上氏は、「FeedBurnerはこれまでの実績があることに加え、広告配信以外の機能も一緒に提供できるのが特徴だ」としながらも、「ただし、RSSを広告に組み入れる方法は様々なので、RSS広告社のような企業とも協力できればいい」と考えている。
GMOアフィリエイトでは、FeedBurner.jpの運営にあたって、FeedBurnerで現在提供されている機能をほぼすべてローカライズする。また、今後はブログ運営企業などにFeedBurnerの機能をOEM提供することも視野に入れているという。
FeedBurnerのOlechowski氏は、「将来的にコンテンツを配信する方法はすべてRSSやAtomなどのフィードになるだろう。その時を見据えて、フィード関連機能をブラッシュアップさせていきたい」と述べた。
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