「イントラネット2.0」は本当にやって来るのか?--FBSカンファレンス

 12月8日に東京都内でFeed Business Syndication(FBS)主催の「FBSカンファレンス」が開催された。「ビジネスブログブック著者が語るWeb 2.0」と題されたビジネスセッションでは「ビジネスブログブック」(毎日コミュニケーションズ)の著者3人がWeb 2.0時代におけるビジネスシーンでのフィードの活用について語り合った。

 まず登壇したサイボウズネットサービス部ジェネラルマネージャーの小川浩氏は、Web 2.0は「ここ数年にわたってウェブ上で起きてきた変化と、今後の傾向に対して命名されたキーワード」だと語り、「単なるバズワードという要素も確かにあるが、それを活用してこうしたテクノロジーを広げていくことが重要」と指摘。その上で、今後、Web 2.0のトレンドがウェブでのマーケティング手法やイントラネットのあり方にも大きな変化をもたらすと予言した。小川氏は、ブログベースの新しいイントラネット、「イントラネット2.0」の時代がやってくるだろうとも予測した。

 続いて登壇したテクノラティジャパンテクニカルマネージャーの佐藤匡彦氏は、インターネットの歴史を振り返りつつ、今後のネットマーケティングに訪れる環境の変化を予想した。

 Mosaicなど初期のウェブブラウザが登場したWeb 1.0時代のインターネットは「ニッチメディア」を、データベースを使ったウェブやFlashが台頭し始めたWeb 1.5時代のインターネットは「マスメディア」を指向した。

 そして、2004年前後から始まったWeb 2.0は「新しい時代が始まる過渡期」だが、これがやがてインターネットを個人にマッチした情報だけを取り出す「マイメディア」へと変化させるという。これは雑誌に例えれば、「コンビニで複数の雑誌を手にし、好きな記事だけをザッピングしながら読むのに近い」と佐藤氏は言う。

 Web 2.0時代のインターネットのもう1つの特徴は、多様性に富みつつも組織だっていることだ。企業からの情報発信も従来のウェブやブログ、電子メールのだけでなく、RSS/Atomフィード、ユーザー参加型のソーシャルサービスなど豊富なメディアがあり、さらにはテキストだけでなく音声によるポッドキャストや動画のビデオキャストといったメディアも広がりつつある。そして、これらはすべてRSS/AtomフィードやXMLといった仕組みを通してつながっている。

 続いてブログエンジン取締役COOの後藤康成氏が登壇し、同氏がWeb 2.0時代のイントラネットツールとする「イントラブログ」について説明した。このイントラブログを使えば、社内の知識を持つ人がその情報を簡単に共有し、再利用できるようになるという。

 具体的には、個人や組織がイントラブログに投稿した情報や、既存のグループウェアに入力した情報は、すべてRSSなどのフィードに変換されフィードリーダーを通して参照できる。同様にインターネットにあるブログを中心とするウェブ上の情報も、このフィードリーダーを通して見られる。

 最終的には、必要なリソースは外部の情報もイントラネット内部の情報も分け隔てなく検索し、参照できる環境を目指すという。小川氏は、「こうしたイントラネットでの変化が現実になりつつある証拠の1つ」として、シックス・アパートとオラクルとの提携に触れた。

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